2009年01月28日 サンドブラスト効果
サンドブラストとは・・・本来 彫刻分野でエッチング加工する時に、素材の表面に堅い粒子を圧縮空気で吹き付けて削り、模様を浮き立たせる手法です。ザラザラした表面の質感が特徴で面白い表現方法かと思います。身近な所での活用事例では、ガラスの表面にエッチング処理をした上でサンドブラストし、絵や文字を彫刻するなどしているものが多いですね。観光地のガラス細工のお土産なんかでも普通に見かけますし・・・ちなみに、ちょっと調べてみましたら、フッ化水素を使ってガラスの表面を磨りガラスにすることもサンドブラストと言うそうです。
そのザラザラ感をデジタル写真のエフェクトに、しかもモノクロ写真に応用したフィルターが出て来ました。PanasonicのLUMIX DMC-LX3という、コンデジのフィルター設定にです。その名もサンドブラストと言う。まんまのネーミング。
モノクロフィルムの粒子を、意図的に荒らして表現する手法があります。指定のISO感度を上げて増感処理したり、フィルムの現像時にわざと高い温度で処理したり・・・フィルムの粗粒子は独特の雰囲気が出るので、それを作風にしている作家さんもいらっしゃいますね。私も過去に数回だけやってみた事があります。
カメラがデジタルになってからは、高感度設定にしてもカラーノイズと輝度ノイズが増えるだけです。ノイズは粗粒子感とは別物なので同じ表現にはなりません。汚い?だけかな。Photoshopで、グレーノイズを乗せる方法で多少近づきますけれど、本質的には全く別物かと・・・以前、フィルムの粒子感のコメントで述べた事です。それをLUMIX DMC-LX3では果敢に挑戦している様です。ネットでのサンプルを見ましたが、なかなか頑張っているのでは無いかと感じました。まぁ、問題は・・・この表現を意図的にどのくらいコントロールして作品に出来るかどうか?実際は使ってみないと分かりませんね・・・
ちょっと関心が高まったので・・・Photoshopでシミュレートしてみました。カラーイメージを単にモノクロにしてノイズを乗せるだけではあまりインパクトが出ないので、疑似赤外化してからグレーノイズを均一にかけて作成。少しはLUMIX DMC-LX3のサンドブラストに近づいでしょうか?スキル云々より、イメージがどうあるかがやはり大事かと思いました・・・
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2009年05月13日 フィルム シミュレーション
デジタルカメラでフィルムっぽい質感を出すのはけっこう難しく、意図しても必ず思い通りになるとは限りません。以前より画像処理でのシミュレーションの手法をいくつか紹介してきましたが、技術的な可否と結果はなかなか一致しません。
でも、デジカメで撮った画像を見て「これはフィルムっぽく写ったかな?」と思える感触を時々感じます。変な言い方ですがこれは感覚の話ですので主観でしかないかも知れません・・・これは単にモノクロ化する話とはまた別の話であります。
少し言葉を足すならば・・・この場合のフィルムっぽさとは、一昔前の粒状感を感じたトライXやネオパンSS辺りのイメージです。まぁ、それらは必ずしも粒子の有無を生じるものではありませんが、記憶〜意識の中にある何かなのです。デジタルから入った世代の人にそれをうまく説明が出来ません。もどかしい・・・(汗)
先ほど撮ったぼたんの写真。モノトーンにしてノイズを少し乗せました。私の感覚ではデジタル臭さがうまく抜けたと思えるのですが如何でしょう?
Nikon D700 Nikkor Ai85mmF1.4→2.8 1/30 ISO1250 トリミング
Photoshop CS4にてモノクロ処理 グレースケールノイズ4.8%均等に分布
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2012年6月26日 久しぶりの赤外写真シミュレーション
今日は梅雨の合間の五月晴れというヘンな表現を気象予報士が口にしていました。青空が気持ち良くそれでいて気温は4月下旬頃のさわやかさ。しかも湿度がかなり低め。ちょっと木陰に入れば、まるで軽井沢に行ったかの様な気持ち良い雰囲気でした。
ちょうど時間の都合が出来たので、家族そろって近場のアンデルセン公園にピクニックに。そう言えば年間パスポートを申請していて、それを受け取りに行かなければならなかったし・・・
公園の中を歩いていると日射しはけっこう強くて紫外線を感じました。でも気温が20度も無かったのでは無かろうか。そのギャップがとても心地良し。写真を撮っていて「これは赤外シミュレーションに向いた素材になるかも」と直感したのでさっそくセレクト。
これまで度々赤外写真化のシミュレーションはやっているのですが、意外と良い結果が得られていません。技術的には難しく無いながら、これは素材の質を問いますね。赤外写真に向いた素材とは・・・かつてのコニカインフラレッド750で言えば、可視領域外の赤外線波長光が強い事が条件。でも疑似赤外化ではデジタル処理で近づけているだけなので、その理屈は直接関係無いでしょう。経験的には 白・黄色・新緑の緑など明度と彩度が高い色調部分が赤外化に近い効果が期待できる感じ。
今日のデジタル写真データは結果的にそこそこ向いた物だったと言えそうです。単に赤外化しただけではちょっと硬い印象なので、同時に疑似キヨハラソフト効果も掛け合わせてみました。今日の撮影はこれまた久しぶりにSIGMA DP1で。この所出番がとても少なくなっているのですが、これはやはりクセ者で楽しい個体であります。また見直して時々使う気になりました・・・
今日は・・・
もちろん家族サービスの方もしっかり出来て楽しいホリデーとなりました・・・
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