2009年02月22日 動物界のおきて
動物の世界には掟(おきて)があります。
それは・・・力の強いものが優位に立つ事ができる。理性以外の価値観・・・文字通りの弱肉強食の世界。
うちの3匹の猫の力関係にも 勿論それは存在します。大御所であるノラ猫出身の花子さんは 今年推定年齢18歳のご老体。一昨年の秋にうちに里子で来た小太郎は 1歳半の青年でパワーが出て来た。昨年晩夏に公園で拾ったぼたんは まだ幼さの残る8ヶ月ほどの小娘です。
小太郎とぼたんは意気投合して毎日とても仲が良く兄弟の様にも見えます。小太郎と花子さんはお互いを警戒しつつも距離をおいてすれ違う冷たい関係。ぼたんと花子さんは唸って威嚇し合う犬猿の仲です・・・
時折 別室の事務所の部屋に一人でいる花子さんの所へ、小太郎とぼたんを連れていきます。そこは花子さんのテリトリーなので、花子さんは当然怒る。それでも、そうやって少しずつでもお互いの存在を認知させないと いがみ合いが、容赦の無い喧嘩に発展して怪我をするかも知れない。一生会わせないで別々に世話をするというのも、同じ家族として何か割り切れない・・・
1年半前、小太郎が仔猫だった時には、花子さんは軽く一蹴しておりました。(→2007.11/25のコメント)それが約1年も経つと、小太郎は成人し、体重は6キロ近くの堂々たる体格に。4キロちょっとの花子さんを凌駕します。去勢手術をする直前に、小太郎は一度花子さんに本気で牙を向いて力の差を誇示しました。それ以来、花子さんは小太郎に一目置くようになった様です。ただ 認めているというより、警戒して余計なちょっかいは自粛するという変化かな・・・
今日の顔合わせでは、花子さんは隠居の老人としての態度があらわでした。身を低くして小太郎に様子伺いを立てるかの様な慎重さ。小太郎は堂々とその挨拶に答えて軽くあしらいました。
うちの猫の中で小太郎が明確な地位を得たのだなと感じました。
ただ、表社会の厳しさを知っている花子さんに対し、小太郎とぼたんは完全な部屋猫。世の中の怖さをほとんど知り得ません。私の望みは、花子さんが二人に何かのメッセージを伝えてくれる事です。彼らの社会に、知識の伝達が有るものとしてささやかな期待をしているのです・・・
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2009年05月10日 前門の小太郎 後門のぼたん
外出許可ライセンスを持つ花子さんが、私の後に付いてアパートの階段を一緒に上ってきました。ドアを開けると中に入りたいと言う。ここに小太郎とぼたんがいる事を花子さんは理解しているはず。これは久しぶりに挨拶に来たのかな?・・・(花子さんは1階の事務所の部屋に、小太郎とぼたんは3階の自宅におります)
するとさっそく小太郎が寄ってきて花子さんの臭いを嗅ぎます。花子さんは既に小太郎には白旗をあげているので抵抗はしません。距離を保ってトラブルを避ける姿勢。その様子を観ていて警戒感を顕わにするぼたん・・・相変わらず牙をむいて「くそババア!」と唸りっぱなしです。
まったく最近の若者には老人をいたわる気持ちがありませんね。もっとも、最初に新入りを許さなかったのはババアの方ですけど・・・世界に平和が訪れる日は遠い・・・
ありがちな良くある話であります(汗)
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2010年02月07日 小太郎と花子さん
久しぶりにこちらの欄にて花子さんの近況を・・・
花子さんのいる部屋に小太郎が入りました。
小太郎には老いた花子さんをいたわる気持ちがありません。
仔猫の時に受けた仕打ちをしっかり憶えていますので・・・
そこで・・・
以前に京都のある寺で目にしたこの言葉を思い出しました。
「若さ笑うな来た道だ 老いを責めるな行く道だ」
猫たちにはその言葉の意味は語っても聞いてくれないでしょう。
ふたりのシルエットには時間の流れの何とも言えない無常を感じました・・・
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2010年02月11日 よぼよぼでも眼光は鋭い
昨年末より花子さんは更に痩せて足腰もふらつくようになってきました。以前推定年齢18歳と書きましたが、それは花子さんが野良猫だった頃…平成4年の春に私が初めて見かけ、その時すでに大人でしたので。だから少なくとも平成3年生まれだろうという判断です。でもその1年前からすでに目撃されていたという話もあり、ならば18くらいかなということ…その幅を考慮しても今年は18〜19歳に達します。
時々表に散歩に行きますが、もうあまり遠くへは行きません。体力が落ちかなり弱々しくなりました。でも、花子さんの目は相変わらず強い光を放っていて、生きる気力をしっかり感じます。病気にならない限りまだまだ大丈夫でしょう。花子さんのいる部屋で今日は一日デスクワークをしておりましたが、私の脇で安心してずっと寝ていました。それが彼女の一番安心できる時間なのだろうと思われます。時々にゃあと鳴いて「撫でてちょうだい」と催促してきます…
花子さんが座っている座布団の下には猫用のヒーターマットが敷いてあります。おばあさんには必需品。一日の大半をここで過ごしているのです…
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2010年03月14日 花子さんと花見
私は…今年は花粉症の症状が出ているので必要が強く無ければ外出は控えています。
それは仕方がないこと。
昨日今日は天気が良いにもかかわらず、近所に花粉は大して飛んでいません。
ラッキーでした。
猫も多少花粉の影響を受けるとみえて、日によってはくしゃみを連発します。
うちでは小太郎が頻繁にクシュン!とやっている。
花子さんとぼたんは大丈夫そうですが…
花子さんは最近あまり表に出ていませんでしたので、今日は一緒に日向ぼっこをしました。
そばに私がいると安心してごろごろしてくつろぎます。
庭では今 カタバミの花が満開です。
これは年に何回も咲ますね。穏やかな一日でした…
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2010年06月09日 最近の花子さん
推定年齢18歳のうちの猫の花子さん。
この半年ほどの間に、かなり衰えて同時に痩せてきました。
老衰というやつでしょう。
歩く時もフラフラしてゆっくりした動作になりました。
今のところ食欲もあるし、元気なのには変わりありません。
このところ老人向けのご飯を選んであげております・・・
おばあさんの時間はゆっくり穏やかに流れている様です・・・
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2010年07月03日 花子さんが旅立ちました
昨晩 花子さんはとても穏やかでした
部屋に入るといつもは鳴いて答えてくれるのですが静かだった
床のうえに横に倒れてわずかに息をしていました
目は細く開いていて 私のことをじっと見ていた
何か言いたそうな感じでは無く そっとしておいてくれという目
しばらくそばにいて話をしました
かつてはブラシで毛をすいてあげるととても喜んでいた
その体も半分以下の体重になってしまい見る影もない
ブラシを当ててみるとごつごつとしたあばら骨があたりました
やがて そのまま穏やかに時が来ました
花子さん
猫アレルギーだった私の最初に家族になってくれた猫
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2010年07月05日 火葬・お骨上げ・納骨
この数日間は日中所用があったので忙しかったのですが、同時にやっておかねばならない事がありました。それは、花子さんの魂が抜けたむくろをどうするのか。犬猫の話として・・・死亡届けを出したりする義務は無いとはいえ、何かしらの扱いをしてあげたい。それが家族同様の存在に対する気持ち。
しかしながら、どうすれば良いのかは意外と情報が無いのです。こういう時のネット情報はかなり事務的なものが多く、判断にも迷います。私が頼りにしたのは、地域ごとに自主的な活動をしている「犬猫愛好会」の組織。私の場合 身近に「わんにゃん倶楽部」という 主に捨て猫の保護や里親捜しをボランティア中心に行っている人たちがいます。そこの知人に相談しました。すぐに近隣にある信頼のおける「ペット葬儀会社」を紹介してもらえました。火葬の場合は事前の予約が必要です。その後のお骨の扱いも決めねばなりません。シンプルなコースがいくつか存在します。
以下はこの2日間のようす。遺体を保存するために出来ることをしました。不快な話に感じる人もいるかと思いますが、こういう状況に遭遇した場合のことを記録として残しておきます。写真も撮りましたし淡々とコメントしますが悪しからず。
保冷バックと氷は必須です。コストコに行く時に使っている保冷用バックがサイズ的にちょうど良かった・・・底に、コンビニで板状の氷を買ってきて敷き、仕切り板を一枚載せてそこに安置しました。それでも内蔵がすぐに傷んで独特な臭いが次第に強くなってきます。ロックアイスを袋ごとタオル越しにお腹のあたりに載せて冷やしました。更に、エアコンを付けっぱなしにして部屋ごと涼しい環境に・・・氷は朝と晩に新しいものに取り替えましたが、その時に遺体を見るのは辛いことでした・・・
火葬と葬儀をして頂いたのはペット・メモリーという千葉の幕張にある会社。ネットで検索すると同名の会社が全国にあるみたいですが、サービス内容は地域ごとに要確認かと思います。ペットの種類や大きさでかかるコストが変わりますので、ネットの一覧で確認するか、電話で直接問い合わせた方がよいでしょう。引き取りに来てもらう事も可能だそうですが、うちの場合は車で直接伺いました。手続きは必要書類に署名して、まずは祭壇にて線香をあげ、最後のお別れをしました。そして火葬・・・待合室で30分くらい待ったでしょうか。その間に、骨壺の蓋に名前を書き、骨袋の色を選びました。6色ほどある中から私は金色を選択・・・そのうちに火葬が済み、お骨上げをします。骨を骨壺に一つずつ収めます。のど仏にあたる頸骨を最後に入れるのは人の場合と同じでした。骨壺を骨袋に入れて祭壇で再度線香をあげました。それで一通りの葬儀が終了します。時間にしてちょうど1時間ほどでした・・・
お世話になったペットメモリーの方々みなさんが動物好きで、事務所内にも多くの犬猫が暮らしていました。そしてまた親切に応対してくださいました。ほんとうに有り難うございました。
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2010年07月05日 花子さんのお骨が帰宅しました
私はお骨を引き取って家で保管することを選びました。
そして・・・
花子さんはいつもいた自分の部屋に戻ってきました。
これからもずっとここに居てもらいます。
それが一番よいことなのだと私は思いました。
花子さんの為に、窓辺に作った猫の足場に花を飾りました。
人以外であっても 死者を弔うことの意味を今 深く感じております・・・
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2010年07月08日 小太郎の気遣い?
夕方 ちょっと不思議なことが起こりました。
庭に小太郎を連れていった時に、小太郎は事務所の部屋に自分から入り、
机の上に座り込みました。
そこはちょうど花子さんの骨壺が置いてある・・・
何か感じるものがあったのかな?
仲の悪かった二匹のやっと実現した穏やかなツーショット・・・
もう喧嘩することもないよね・・・
感慨深くもあり、ちょっと哀しくもありました・・・
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2011年7月5日 花子さんの一周忌
先日7月3日は、昨年19歳で亡くなったうちの猫の花子さんの一周忌でした。
ペット専門の葬儀社で火葬にしてもらい、お骨が帰宅したのが一年前の今日でした。
今日はたまたま小太郎を表に散歩に連れて行き、事務所の部屋にも連れて行きました。
小太郎は部屋の中をうろうろしていましたが、何故か机にあるPCのディスプレイの
裏側に入り込んでじっとしていました。
そこには花子さんの骨壺が置いてある場所
不思議なことに小太郎は花子さんの骨壺の横でしばらく動きませんでした。
在りし日の花子さんの姿がふと浮かびました。
黄泉の国へ旅立った存在は心の中でいつでも蘇ります。
晩年の「にやぁー」という濁声が記憶の中で響きました・・・
写真は11年前の花子さん。
まだ珍しかったデジカメと言うモノを買った頃で 恐らくテスト撮影の時のもの。
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2011年12月19日 花子さんのいた視界
この窓辺は、かつて花子さんがよくたたずんでいた場所です。
今は小太郎が、散歩がてら立ち寄って時々表を眺めていたりする。
小太郎を見ながらそこに花子さんの存在感がふっと重なります。
花子さんはもういないけれど、記憶の中に生きています。
その姿は永遠に消えない視界の思い出・・・
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