クワガタムシを飼育してみよう!


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オオクワガタ 飼育日記

 


2012年8月22日  オオクワガタの羽化について



先日 菌糸瓶の状態確認とさなぎから羽化したオオクワガタの水槽への移行作業を行いました。

その時に一つの菌糸瓶は外側から見て内部の様子が分からなかったので、目一杯掘り進んだら底の方に出来ていたさなぎ室を壊してしまいました。中にはまださなぎ状態の雄のオオクワガタがいました。さなぎ室は一種の繭と同じ効能をもっていて、羽化するまでの湿度と温度を一定に保ち羽化する時に体に土が付かない様にしっかりと固められたカプセルのごとき存在です。その壁が壊れてしまうとマズいのです。

他の菌糸瓶をこじ開けた時に成虫をうまく取り出す事ができて、その後にさなぎ室が良い状態で残っていても、個体のサイズが違うとけっこうリスクがあるので利用しないほうが無難です。少なくとも本人が作ったさなぎ室よりも大きい空間でなければなりません。そこで、こんな事もあろうかと事前に用意してあったものを活用。人工さなぎ室。これはウレタンで出来たスポンジで、単なるくぼみのある台座が入った容器なのですが、安全にさなぎを羽化するまで守ってくれる優れモノです。ヘラクレスオオカブトムシのさなぎにも使える大型サイズ。過去に何度も使って良い結果が出ています。使い方はウレタンスポンジを軽く湿らせてその上にさなぎを置くだけ。ひとつ注意が必要なのは、カブトムシやクワガタムシの種類によって、さなぎ室の角度が違うと言う事です。オオクワガタはほぼ水平。一般のカブトムシは垂直。その他のクワガタは参考書を見て確認が必要となります・・・

ちょうど一週間前にさなぎであったこの個体は、本日見た時には羽化直後(数時間程度経過)だと思われる状態でした。体はまだフニャフニャしていると思われます。過去に一度この状態の時に触って立派なオオアゴがクニャっと曲がってしまった事があるので、それ以来私も慎重になりました。

オオクワガタは成虫で越冬して翌年まで生きる寿命の長いクワガタムシです。その分成長はやや時間がかかり、羽化後の安静期間も半月くらいは見た方が良いです。1日ちょっとですぐに活動をはじめるカブトムシとは習性がかなり違います。

先日に述べた通り、今年は子供にオオクワガタを配るワークショップが何とか開けそうなので、これから準備に入ることにします。



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2012年8月16日  今年のオオクワガタの飼育状況



オオクワガタについてしばらくコメントが途切れていましたので、一年分のおさらいも兼ねて久しぶりのコメント(mixiのブログより転載)私がオオクワガタのブリーディング(人工繁殖)を始めたのはもう13年前。最初はそれまでに見た事が無かった幻のクワガタムシに関心があったのがきっかけ。行きつけのペットショップのマスターとよく話す様になり、売り物でちょっと弱っていたオオクワガタのペアを譲ってもらったのが始まりでした。その頃はオオクワガタはちょっとした投機ブームの対象になっていて、一つがいが何万円もするご時世だった。本来昆虫は自分で採ってくるものでお金を出して買うものでは無いと考えていた私でも、それが自然環境で見つける事が極めて難しい種類であったので、自説を曲げて割り切りました。

けっこうこだわりを持ってやっている趣味でありますが、自分個人の範疇で完結してしまっては面白みに欠けるので、オオクワガタの繁殖の数が確保できた年には「ワークショップ(体験型講習会)」を開いて、集まった子供たちに無償であげる事もしています。オオクワガタは子供たちに大変人気がありますからね。しかしながら昨年は 東日本大震災のドタバタでそのワークショップが開けませんでした。

今年は数は多いとは言えないまでも、雄雌の比率のバランスが良いのでワークショップをやりたいです。以下は先日菌糸瓶の状況を確認した時の様子。各写真に付けたコメントを順番に・・・



2012年 8月13日


1.菌糸瓶のご開帳日がやってきました

2.同時にオオクワガタの飼育ケースの中にある産卵木と
  土の入れ替えも行います
  同時にやることのメリットがあります

3.飼育ケースの中の産卵木はご覧の様に
  ズタズタになっているものもあります 
  これはちょっと放置し過ぎて失敗したパターン例

4.程よく朽ちてこの位になった産卵木には
  オオクワガタの雌が卵を産んでいる確立が高いです

5.産卵木はしばらくそのまま寝かしておきます 
  菌糸瓶を開けた時に出る不用な土を使って埋め戻します 
  秋になってから掘り起こして幼虫を取り出します 
  タイミングが大事なのだ

6.ご覧の様に埋めてしまいますが 菌糸瓶の土にダニが
  湧いていないかどうか良く確認します
  白っぽいダニは幼虫のいる環境を悪くする可能性が
  あるので排除します

7.暑い夏の間は私は産卵木の入ったケースを表のロッカーの
  中に入れてしまいます 
  時々開けて土にカビが生えていないかどうか確認します 
  ケースに蓋をしない所がミソ 
  乾いていたら軽く霧吹きして湿らせます 
  隣に殺虫剤の容器があったりして凄い環境ですが
  毎年これで問題は起きていません(苦笑)

8.菌糸瓶を開ける時にひとつの目印となるもの 
  これは蛹が羽化した後に確認できる蛹の殻(薄皮)です 
  成虫になっている証拠です 
  確認の他の方法としては菌糸瓶を軽く振って耳を当ててみる 
  羽化していれば中でカサカサと動く音がするはず・・・

  菌糸瓶の表から見てまだ蛹(さなぎ)の状態だと分かるものは
  そのままにしておきます 
  オオクワガタの場合 羽化して半月位はそっとしておいた方が無難

9.これは無事に羽化して既に体が硬くなっている成虫 
  安心して取り出せます お腹が空いているでしょうから
  栄養価の高いプロテイン入りのゼリーを与えます

10. オオクワガタは他の種類に比べて羽化した後の安静にしている
  期間がやや長めかも知れません これは羽化して一週間程度は
  たっているはずの個体 体が完全に硬くなりきっていません 
  その証拠に体表がまだ少し赤いです

11. 裏返してみるとかなり赤いのが分かります 
  完全に体が硬くなると体色は黒光りして赤味は消えて行きます 
  カブトムシは赤っぽいものがいますがそれと同じに考えない方が
  良いと思われます

12. これはオオクワガタの雌 こちらもまだ少し赤いですね 
  もう一週間ばかり安静が必要かな・・・

13. こいつはかなり硬くなってきていますがご覧の様に羽にシワが
  入ってしまっています 羽化不全(不完全体)とまでは言えないので
  健康に問題は無いと思います 

14. 14個の菌糸瓶を開けてみての結果は・・・羽化済みの雄5匹雌4匹 
  蛹の雄2匹 死亡2匹 未確認(直ぐに死んで朽ちてしまった?)1つ 
  ・・・以上でした 
  今年は特に目立った羽化不全はありませんでした ホッとしました・・・










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2011年8月23日  今年のオオクワガタは様子がおかしい?



例年だと ブリーディングしているオオクワガタの幼虫は、7月中には蛹になり8月上旬には羽化しております。ところが、今年は何だか様子が違っています。連日幼虫が入った菌糸瓶を観察していますが、一向に蛹にならなかったのです。実は昨年に卵を採取するのが上手く行かず、今年分は10匹しか育っていません。8月中旬の段階で確認出来たのは蛹が2つだけ。後は幼虫のままです。

今日 羽化してそうな菌糸瓶2つと内部の様子が分からなくなっているのを3つ開けてみました。結果、無事に羽化していたのは3個体。雄1雌2でした。他の一つは蛹になっていて、もう一つはトラブル発生で死んでいました。残りは蛹が1に幼虫のままが4です・・・

これは困った。毎年8月下旬に行っている NPOの事務所で子供たちに手渡しするワークショップが行えません。とりあえず延期にしなければ・・・

原因は一体何だろう?今年なりの環境の変化と言えば、3月11日より続いている地震がありますが、もしかして昆虫にもストレスを与えたりしているのだろうか?今夏はセミが鳴き始めたのも少々遅かった。身近にいる昆虫を観察していても、庭での毛虫の発生はやはり遅かったし、数も少ない様な気がする。

もう少し様子を見守りますが、例年とは違った状態に戸惑っております・・・

写真は羽化したばかりのオオクワガタの雄。オオクワガタは羽化してから活動を始めるまで、少し時間が長めです。約2週間程度は、羽化した場所でじっとしていて体が硬くなるのを待ちます。カブトムシなどは数日で直ぐに体が硬くなるのでその差は大きい。ご覧の様に赤い状態のうちは、まだ動けません。角も柔らかく強く押せば曲がってしまいます。この状態の時には、本来触ったりせずにそっとしておくべきでしょう。私は写真記録に撮る都合で、そっと扱いました。用意した小型の水槽に隠れ場所を作って、そこに待避させました。餌を食べ始めるのもまだ少し先になると思います。


 


2011年07月6日  今年のオオクワガタ



オオクワガタのブリーディングをして、今年で12年目に突入しました。 卵から育てて成虫になったクワガタは、毎年ワークショップを開いて、オオクワガタに関心のある子供達に無償でプレゼントしています。その活動自体も10年目になりました。

ところが・・・今年度はちょっと厳しい状況になっております。何故かというと、3月11日に起こった大震災の影響で、その後自分自身の生活がバタバタしてしまい、幼虫の菌糸瓶の管理に問題を起こしてしまいました。具体的には、幼虫が菌糸を食い尽くして新しい菌糸瓶に移さなければならないタイミングを逸してしまったのと、一部の菌糸瓶にカビが発生したのを見過ごして死なせてしまったりした・・・

言い訳をしても仕方がありませんが、要するに今年度の幼虫で満足に生育している個体が少なくなってしまったのです。これでは、子供達に配る個体数が確保できるかどうか怪しくなってしまったのですね。例年では7~10ペアほどを用意出来ていたのですが、このままでは2~3ペアが良いところかもしれない(汗)

この所気温が上がって来たので、繁殖用の種親のオオクワガタの水槽では、餌のゼリーの消費量が急に上がって来ました。すでに卵を取るための産卵木を一月ほど前から入れていますが、1本目の産卵木の様子はまぁまぁで、恐らく卵がとれていると思われる。直ぐに2本目を入れて来年に向けての準備は怠らない様にしています。昆虫の飼育と管理は、慣れてしまえばそれほど面倒なことでは無いと思いますが、まめに様子を観察していないとトラブルの発生を見過ごします。今回はその基本がおろそかになって反省することしきりです・・・

水槽から取り出した産卵木
メスの大あごの力はもの凄くご覧の様な穴が開けられています。

 


2010年07月20日  来年度の仕込み開始



オオクワガタは気温25度を超えたころから活動が活発になります。梅雨が明けて一気に暑くなってきたので、家でブリーディングしているオオクワガタたちも俄然「鼻息」が荒くなってきました。っとすると・・・このタイミングで雄雌のペアリングを行い、飼育水槽に新鮮な産卵木を入れるチャンスです。

昆虫専門ショップに行って、オオクワガタ用の産卵木(発酵させたクヌギ)をまとめ買いしてきました。それを、まずはバケツの水に10分ほどつけて軽く湿らせます。以前にもコメントしましたが、この時の湿らせ具合はなかなか微妙。木によっては直ぐに水を吸ってずっしり重くなってしまうものもあれば、20分くらい漬けてちょうど良い湿り気になる個体もあります。まぁ、私の場合はやはり10分前後ですが・・・

その産卵木を雄雌のいる水槽の土に半分埋めます。これで、雌はこの木に穴を開けて卵を産んでくれる事でしょう。ちなみにペアリングしたのは昨年夏に羽化した個体同士。オオクワガタは成虫で2年以上生きる長寿種です。産卵は二年目が良さそうだと私は判断しております。

昨年夏以降の産卵数が少なく、今年度は不作だったと先日書きました。やはり夏場の飼育環境をいかに整えるかが、次年度への成功の鍵となります。今夏のペアリングは4ペアを選抜しました。頑張ってたくさん卵を産んで欲しいと願います・・・

 


2010年07月16日  今年のオオクワガタ 羽化確認



昨年末は取れた幼虫の数が少なく、全部で20匹程度。近年では最も少ない不作の年になりました。

梅雨ももうすぐ明けますが、菌糸瓶の中では早熟の第一次組が羽化を終えています。オオクワガタは羽化してから活動を始めるまで少し時間がかかります。半月ほどじっとして何も食べない個体も多い。更にこれから二週間ほどの間に、残りの蛹たちも次々に羽化を始めることでしょう。

この時期は少し気をつけて見ていないと、菌糸瓶には色々なトラブルが発生します。それは気温が暖かくなってくるにつれ、カラカラに乾いてしまったり、内部にカビが生えたり、ダニが大量に発生したりするので。内部環境が悪化しているのが確認できたら、別の環境に移す必要がありますね。今回も一つダニが発生している瓶があったので、さなぎを取り出しました(写真 二番目)あと、まだ体が硬くなっていませんが、羽化直後の雌も一匹菌糸瓶から待避させました(写真 三番目)処置が遅れると後で悲惨なものを見なければならなくなるので注意しています・・・

6個ほど菌糸瓶を開けてみて分かったことは・・・今年も雌の割合が多い!これは困ったこと。8月末以降にオオクワガタのワークショップをやりますが、子供たちに配る時は雄雌のペアリングでないとまずい・・・いったい何組のペアが出来るのか?残りの菌糸瓶に望みを託したいと思います・・・

 


2009年8月12日  今年の成果



8月6日 現在
毎年ブリードしているオオクワガタの今年の「成果」報告です。

オス 8匹 メス 9匹 まだ蛹状態 5匹 まだ幼虫状態 2匹 / 羽化不全死 5匹

この時期にまだ幼虫である個体はこのまま年を越して「二年もの」になるかもしれません。より大型に成長する可能性を期待できます。蛹(さなぎ)状態のものはあと半月以上かかりそう。成虫に羽化するタイミングが遅いのは気になります・・・孵化不全死は菌糸瓶の中にカビが発生して腐ってしまったもの(これは管理ミスと言える)若干数が多いので反省しなければなりません・・・

今年の特徴として、無事に羽化した雄雌の比率のバランスが良かったこと。ペアリングがしやすいですね。例年は雄2に対して雌3の割合が多いパターンです。成虫で数年生きる長寿のクワガタ種は、羽化した年はあまり繁殖に積極的ではありません。いきなり同じ水槽に雄雌をいれずに、個別に越冬させた方が良いと私は思います。

羽化したものは、次年度の種親用としてふたつがい残して、後は子供たちに配ります。昨年よりNPO団体の事務所に協力をお願いできる様になりましたので、飼い主募集を地元の某所にて告知することにします。

一方で今年より始めたカブトムシの方は、とても配れる様な結果を残せませんでした。次年度への課題として検討を続けます・・・

8月12日追記

8月6日の時にまだ蛹(さなぎ)状態であった個体が羽化しました。菌糸瓶を開けた時点でかなり体が硬くなっていましたから、この間確認した直後に羽化していたと思われます。これで今年の成果は以下の様になりました・・・

オス 10匹 メス 11匹  まだ幼虫状態 2匹 羽化不全死 6匹

菌糸瓶をご開帳して、さなぎ室の天井部分に穴を開ける瞬間はとてもドキドキします。かつて雑木林に入って、クヌギやコナラの木のうろの中でクワガタムシを見つけた時の感動に近いものです。NPO事務所で「オオクワガタ」を子供たちに配布するのは、今月末に実施する予定です。準備を進めなければ・・・

 


2009年7月9日   産卵木の投入




気温が25度を超えた辺りからオオクワガタの活動は活発になってきます。オオクワガタは平均して2度冬を越す長寿な種なので、水槽にいるのは昨年の夏に羽化した個体です。最初の夏にはあまり繁殖活動も行わない為、成虫として1歳を迎えた今の時期にカップリングして産卵を促します。私は毎年ブリードしているので3ペアほどつがいにしました。

産卵の為の朽ち木を産卵木と言いますが、これはクヌギやコナラの木を1次発酵させたもの。今ではペットショップで簡単に手に入ります。1本が500〜1000円程度します。産卵木はまず水に5分ほど沈めて加水します。参考書を読むと30分ほど水に浸けるとありますが、それでは水を吸いすぎると私は思う。人によっては買ってきて直ぐにマット(土)に埋めて、自然に湿った状態になるまで待つという方法もあるそうです。

水槽に産卵木を入れます。全体の半分ほどを土に埋めると土が湿っているので、完全に乾いてしまうのを防止できます。次に雄と雌をカップリングすると、もう雄はソワソワして明らかに様子が変わりますね。今まで色々なクワガタムシを飼育して来ましたが、オオクワガタは何か行動がユニークで、時に感情の様なものを感じるので、観察のしがいがあります。それがとても魅力でもあるのです・・・いつも出来るだけ良い環境をセッティングしているつもりです。

そしてまた・・・これからの1ヶ月間は、菌糸瓶の中の蛹(さなぎ)が次々に羽化する時期でもあるのですが、今年はカブトムシとクワガタムシのHPも作っているので、例年以上に観察記録をつけるのに忙しくなりそうです・・・


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2009年8月17日   今年は18匹羽化




私が毎年ブリーディング(人工繁殖)しているオオクワガタの菌糸瓶。今の時期になると、中ではさなぎが羽化して成虫になっています。 オオクワガタは羽化後二週間くらいはまだ触らずに、体が硬くなるまで待ちます。

今年は初夏の気温が若干低かったので、羽化の時期が遅れ、菌糸瓶を開けて中の様子を確認するのが1ヶ月ほど遅れました。昨年末には25本以上あった菌糸瓶ですが、途中で病死したりして蛹までたどり着いたのは22本ほど。でも・・・さなぎになってからも無事に成虫になる可能性は100%ではありません。

甲虫の場合も さなぎから出た直後に試練が多々存在します。いわゆる脱皮という儀式は、体が最も柔らかく 病気や外敵に襲われる可能性が一番高い時期。運悪くカビの胞子などが体に付着していたりすると死んだり、羽化不全といって「失敗」します。毎年数%の発生率に見舞われています。今回も有りました(開けた瞬間に思わず後ずさりします)結果、雄8匹、雌10匹が無事大人になりました。羽化してまだ数日しか経っていない個体は、写真の雌の様に体が赤っぽい色をしています。

さて・・・これからこのオオクワガタたちの里親を捜します。何の為にオオクワガタを「養殖」しているか?と言うと、子供たちに渡すためにやっております。もちろん無償で。この欄の上の方にその経緯をコメントしております・・・


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2007年5月1日   菌糸瓶の取り替え作業




今日は一日 水槽の掃除・鉢の植替えなど動植物+虫のケア作業をしていたら時間が過ぎました。オオクワガタの幼虫は「菌糸瓶」という餌の容器を取り替える時期に来ています。(一部の成長の早い個体はさなぎになる準備が始まっているため、そのまま様子見の状態)写真左側が新しい菌糸瓶。コナラやクヌギのおがくずにキノコの菌糸を混ぜて固めたもの。

幼虫が菌糸を食べて糞をする。その結果・・・糞で瓶の中がいっぱいになる→餌が無くなる→新しいものに取り替え となります。オオクワガタの場合 さなぎになるまでに、この瓶のサイズだと2回ほど取り替える必要有り。新しい瓶への移し替えは 速やかにストレスを与えない様に行います。また幼虫の体に触れないように気をつけて。人間の皮膚についている微生物が虫に移ると病気になる事があります。要するに虫より人間の方が汚いのです(苦笑)

古い菌糸瓶の中の黒い糞はとても良質の土として使えます。程よい堆肥の香りがして、汚いというイメージはありません・・・よく出来たリサイクルです。

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2006年9月4日   オオクワガタの羽化 3




昨日、オオクワガタの菌糸瓶をご開帳しました。結果、オスが3匹、メスが4匹確認できました。今年はとても少ない数です。少し手を抜いて、熱心にやらなかったというのは理由の半分。そうなった事情として、昨年の段階で、オオクワガタを欲しいという子供が身の回りにいなくなって来たため、繁殖プランを縮小した為なのです。

クワガタは闘争心が強く、普段は一匹狼なので、飼育も1ケースに1匹が原則。繁殖の時期にのみペアリングをしてやります。そんな生き物なので、あんまり増やし過ぎると、部屋に飼育ケースが何十個と積まれることになってしまう・・・
もともとは自分が飼育したいから繁殖させている訳です。必要以上増やす目的は、昆虫採集の機会すら少ない、最近の子供たち(身近の知人)にプレゼントする為です。全く見ず知らずの子に、いきなりはあげられませんし・・・

しかし・・・かつて、一度はよろこんで貰ってくれた知人の子供たちも、二度目を望む声はありません。関心がテレビゲームに戻ってしまったのでしょうか? むしろ、リアルに昆虫飼育をすることの面倒臭さに飽きてしまったとも考えられます。大人より子供の方がクール・・・興味は押しつけるものではありませんからそれまでです・・・まぁ、一度でも飼育したという体験ができたのは良いことだと思います。

状況をもう少し突っ込んで言うと・・・商売にしているお店の人には悪いのですが、私は昆虫に限って言えば、子供がお金で買って手に入れて欲しくない。TVゲームとは違う。それでは虫の本当の姿が良く分からない。また、鳥や犬猫に比べて、虫の命は軽く扱われがち。飼育方法も専門書を読む様な人は少数派です。だから、何処にいて、どういう風に捕まえることが出来るのか、生態は・・・自分で苦労して知って貰いたい訳です。
「汚いし危ないから、積極的に自然を知ろうとしなくても良いのでは」という声も聞きますが、リアルな体験を知らない弊害は小さくないと思うところがあります。子供時代に昆虫採集に一生懸命になるのは良い事だと思うのです。

但し、オオクワガタに関しては例外。これは私の子供時代から〜天然のものを捕まえるのはほとんど無理。だから、手に入れるには、私の様な虫好きが人工繁殖したものを配るしかないと判断しています。

そう言えば、ひとつ話題にしないでいましたが、家族の中に虫の嫌いな人がいたら昆虫飼育は駄目ですね。実際にはこれが一番大きな問題になります。大抵はお母さんが大反対。虫が嫌いな人は、生理的に受け付けませんから、どう説得しても絶対に駄目。受け入れ不可能です。私の昆虫好きがより強くなっていったのは、家庭の環境が寛容だったせいでしょう・・・

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2006年9月3日   オオクワガタの羽化 2




一ケ月程前に、私が飼育しているオオクワガタの羽化について予告をしました。幼虫は、おが屑とキノコの菌糸を混ぜて固めた餌→「菌糸瓶」と呼ばれる容器1本に1匹づつ入れて育てます。その中で蛹になるのです。瓶の外側から、中の蛹が見えますので、羽化(成虫になる)するのが判ります。その後、8月上旬に、蛹がつぎつぎに羽化した様でした。

ここで、私がかつてやらかした失敗談を話すことにします。

初めて、オオクワガタの羽化を目の辺りにした時に、うれしくて、一週間ほどで菌糸瓶から取り出してしまった事があります。それはうかつな事でした・・・脱皮と同じで、蛹から羽化直後の昆虫の体は柔らかい。有る程度の時間が必要で、体が堅くなっていきます。それからでないと、外界で生きていけません。セミやトンボ、蝶などは羽化後1〜2日で体がしっかりし、飛べる様になります。しかし、甲虫(コガネムシの仲間)は、生態が違うということです。詳しく述べると、その甲虫の中でも種類によって違うので、ひとくくりには出来ない。

ずっと昔、カブト虫を飼育していた時の経験では、カブトは羽化から一週間ほどで体が充分硬くなったと記憶していました。そこで、オオクワガタも同じだろうと思いこんだ・・・ところが、判断は間違っていました。まだ体の堅さが不十分だった。角をつかんだところ、クニャっという感じで曲がってしまいました。その後、その個体は角が変形したまま体が硬くなってしまった・・・かわいそうな事をしたと反省・・・

オオクワガタとヒラタクワガタは、他の種類と違って、成虫で2〜3年程生きます。長寿な種族なのです。そのせいか?・・・羽化後、他の種よりもライフサイクルが長い。羽化後は約一ヶ月かけて体を堅くします。つまりその間、飲まず喰わずでじっとしたままなのです。体が柔らかいうちは、絶対に触ってはいけません。

ちなみに、調べてみると、外国産のクワガタやカブトムシは、種類によって、羽化後に活動を始める期間が全くまちまちだと分かりました。南米のゾウカブトムシなどは、羽化してから半年近くじっとしたままだそうです。

今日、菌糸瓶を一斉に開けてみました。まだ羽化後、二週間位しか経っていない個体もあり、完全に堅くなっていない状態です。写真で見て判るように、体が赤いのがそのしるし。真っ黒になるまでもう少しかかります。その事が分かっていれば配慮をしつつ、瓶から出しても大丈夫です。一匹づつ小ケースに分けて、空気にさらしてあげます。菌糸瓶の中の土(殆どが幼虫が食べて出したフン)を少しづつスプーンですくって行く時は、今でもワクワクします。子供心を思い出す時間です。そして、土の中から無事に羽化したクワガタが、顔を出す瞬間は感慨深いものを感じます。

「おまえは誰だ!?」暗い土の中から、いきなり起こされた彼らの第一声が聞こえるかの様です。今年は10本ほどあった菌糸瓶のうち、無事に羽化までたどり付いたのは7本。オスは3匹でした・・・私としたことが、かつて無く低い成功率です。どうしたことか・・・

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2006年7月26日   オオクワガタの羽化について




私が育てている幼虫も、蛹になり、そして羽化する季節になってきました。

今年は、幼虫を育てている菌糸瓶が10本。もう7年ほど繰り返していますが、例年に比べると半減、少ない数です。大半はこれから蛹になり、早い個体はもうすぐ羽化です。所々、トンネル状に空間があいた所に幼虫が見えますので、育った個体の大きさや雰囲気から雄雌の区別が可能。しかしながら、今年はどうもメスばかりの予感・・・オスがいないと、子供たちは喜んでくれません。困った状況です。

オオクワガタの幼虫は蛹(さなぎ)になる位のサイズになるとよく「鳴く」のですが、そういう話を聞いたことがあるでしょうか?恐らくこれは、飼育したことがある者ぐらいしか、知らないことなのではないかと思います。鳴き声は「ぎりっ!ぎりっ!」っとかなり大きな音です。真夜中にこの音が聞こえて、ぎょっとして目が覚めたこともありました。

菌糸瓶には幼虫を一匹づつ入れて育てます。それを並べておくと、何かの拍子に一匹が鳴くと、他の瓶の幼虫も応えて鳴き出します。輪唱・・・かなりうるさい!幼虫は木をかみ砕く強力なあごを持っていますので、お互いが出会ってしまった場合、喧嘩をしたら、死に至るだろうことは想像に難しくありません。恐らく、お互いの距離が近くなりすぎるのを防ぐ為に、鳴いて自分がここにいるぞと誇示しているのではないか・・・と私は推測します。これって正しいのかな?

蛹になった、いや、なりかけのこの時期は私はちょっと緊張します。というのが、虫の変態という行為は、彼らにとって大事な儀式であると同時に、死と隣り合わせのリスクの高い状態だからです。カニやエビ等の甲殻類も同じですね。脱皮の直後は、体が一番柔らかいとき。他の生き物に狙われたり、病気になりやすい瞬間なのです。もし、そこで何かが起こったら・・・

以前、冬虫夏草の話を予告しました・・・ここで話に割り込みます。

冬虫夏草とは、地中の幼虫などに菌糸系の植物が寄生して芽を出し、そのまま成長したものです。つまり植物が虫から生えている訳です。これが、漢方薬や滋養強壮剤の材料として珍重されている。かなりの高額で現在でも流通しています。有名なのは、コウモリガの幼虫に寄生するキノコ。中国では昔より、不老長寿・精力剤として「幻の聖草」とされてきたらしい。ネットでもコルディセプス・シナンシスという名前で調べると資料が出てきます。

虫に植物が寄生すると、当然、虫はそれに気がつく。乗っ取られまいとして、何かの物質を分泌するそうです。虫から栄養を奪おうとする植物と、それを打ち負かそうとして必死に抵抗する虫。その状態からのみ得られる特別な物質。結果は植物の勝ち。虫はやがて命を吸い尽くされる。皮肉な事に分泌された物質で特別な草が育つのです。その壮絶な戦いに背筋が寒くなる思いです。

話を元に戻しますが、オオクワガタの幼虫も菌糸に犯されて死ぬ事があるのでは?以前、それに近い状態のものを見ました。菌糸瓶に充満しているキノコの菌糸か?どうやらちょっと違う。どちらかというとカビの様です。結論からいうと私が見たのは、冬虫夏草ではありませんでした。ただ・・・連想させるような気持ちの悪い死に方だったのです。そのレポートはやっぱり止めておきます。

話がダークな方に流れてしまいましたが、例え虫であっても、必死に生きて戦っている。その様子を見守る季節なのだということです。数日前も「ぎりっ!ぎりっ!」と鳴いていた。健康状態は良さそうです・・・もう少ししたら、無事に羽化した彼らを見ることができるはず。緊張してその時を待っているのです。

 


2006年06月19日  黒いダイヤモンド 2 



社会人になって以来、虫取り網を持って林の中に入っていくということは無くなって久しい・・・それは恐らく、大人としてはごく普通のことです。昆虫を真剣に研究している様な人でないと、なかなか機会を作ってまでやる事ではないでしょうね。それでも興味が失せていないのは意識が子供のままなのか(苦笑)

そんな訳?で、オオクワガタを高値で買ってしまいました。長々と言い訳を書きました(汗)っで、最初から考えていたことは、ブリードしよう!でした。私はグッピーという熱帯魚をずっと飼育しておりますが、その他にも亀や猫をはじめ、動物・植物等をいろいろと飼育しております・・・ 相手は生き物ですから、多少なりとも理解する為には手間と時間がかかってしまうのは覚悟が必要です。

でも・・・世の中には、私と同じ、いやはるかに上を行く情熱家が大勢いらっしゃる。尊敬すべき心強い味方です。そんな彼らが、オオクワガタの生態を解明し、人工繁殖の術を確立してしまいました。

もともと希少価値のある昆虫です。繁殖方法を見つけられればそれは大変な発見と言えます。(難しいのは、孵化した幼虫を最後まで無事に育てる飼育法)具体的にその話に触れると、クワガタの幼虫を育てる過程で「菌糸瓶」という飼育スタイルが考え出されました。オオクワガタの雌が卵を産み付ける朽ち木(腐った木)には、あるキノコが生えている事が多いという観察結果が。そこで、朽ち木のフレークにそのキノコの菌糸を混ぜて瓶詰めにするという最高の環境再現に成功したのです。産卵木から幼虫を菌糸瓶に移せばかなりの確立で無事育ちます。

甲虫の専門誌が発行されていて、とても丁寧に書かれています。その記述通りにしても、いきなり全てうまくは行きませんが、最初の年に数匹の幼虫が育ち、その後はそこそこ順調です。毎年 平均して10〜15匹ぐらいは育っています。何故か雌の割合が多いのと、サイズが今ひとつ大きくならないということが課題となっています。

 


2006年06月18日   黒いダイヤモンド 1




かつて自分が少年の頃、遊びと言えば、路地裏での面子と 昆虫採集が主なものでした。特に虫好きだった私は、昆虫図鑑は丸暗記するほど毎日眺め ては、そこに載っている様々なムシ達に好奇の目をむけておりました。 中でも一番の対象はカブトムシ、クワガタムシです。

昭和40年代中頃は、東京都内にも空き地や雑木林がけっこう 残っていたので、一生懸命探せば天然の個体を捕まえる事が可能な時代。 また当時は、現在の様に不安で危ない世情ではなかった為、 虫を捕まえる為に、朝の4時位に起きては、友人と「探検」に 出かけることが可能でした。 お巡りさんに見つかれば、当然家に帰れと注意を受けましたが、その位の障害にはへこたれない。

薄暗い雑木林の中を、ひたすらカブトムシ目当てに歩き回わり、 なんとも言えないドキドキした緊張感がとても楽しかった。 例えて言うならば「狩り」をする感覚そのものと言えましょう。そうしてお目当てのムシを「発見」した時の興奮と喜びは、 思わず声を上げて「やったぞ!」と狂喜乱舞するほどでした。カブトムシ・ノコギリクワガタ・コクワガタが多かったです。 他にもミヤマクワガタ・ヒラタクワガタ・アカアシクワガタなども、たまに出会う機会があったのです。

親と地方へ旅行に行った時にも、昆虫採集は一番の目的でした から、正に血眼になっていた様に思います。でも、当時から日本最大と本に書いてあった、オオクワガタはついに一度も目にすることは無かった・・・(オタクなことを言えば、オニクワガタやマルバネクワガタなど局地的にしか生息していない種類も無いです・・・)少年時代にすでに「幻の存在」として、心の中に刻まれました。そんなオオクワガタが平成のバブルがはじけた頃(最近ですね) ペットショップに出回るようになったのです!


しかしながら・・・
その価格は目を疑う程高かった・・・何年かはただ様子を見ているしか無かったですね。ところが、何度もある店に顔を出していたら、そこの店長さんと仲良くなってしまった・・・ある日、「安くしとくよ」と言われました。
安いと言っても、千円の単位の価格ではありません。どうしたものか?・・・とても悩んでしまいました・・・まずは、ムシは探して捕まえることが楽しいのであって、お金を出して買うものじゃぁない・・・などと常識的なことを。でも・・・オオクワガタは探して見つかるようなものでも無かった。そもそも、すっかり大人になった今の自分が、今更 クワガタムシに関心を示すとは、いったいどうしたことか・・・しばらく訳の判らないことを自問自答していましたが、結局は大人の面子を気にしていただけなのでした。

珍しい存在の為、「黒いダイヤモンド」とも呼ばれるこの虫が私の手元にやって来たのは、それからしばらくしての事です。1999年頃のことです。


引用した資料
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