2006年04年13日  ニューヨークぶらり旅 1


4月上旬はニューヨークとシアトルに行っていおりました。今まで、海外旅行にはちょくちょくと出かけていたのですが、メジャーどころには意外と行っていません。ニューヨークも今回が初めてということで・・・

テレビドラマやニュース番組でよく出てくる街角。例えばブロードウエイやウォール街、近年では911テロで有名になった跡地のグランドゼロ・・・せっかくなので、一通り訪れて歩いて来ました。

まずはグランドゼロ。言わずと知れた世界貿易センタービルがあった場所です。あの大惨事からもう5年近く経ちましたが、はたして現場はどの様になっているのだろうか。軽い気持ちで行くのも不謹慎だと思いましたので、近くの花屋で供え物を買い、現場に向かいました。この日は気温が5度ぐらい。肌寒く時折小雨もパラつく天気。東京に比べて一月ほど冬に戻った感じです。あれだけの犠牲者が出た場所ですから、きっと今でもニューヨーカーの記憶は風化していないだろう・・・そんなイメージを勝手に強くしていたのですが。

しかしながら・・・意外にも、予想していた程の記録の断片も見あたらなければここを訪れる人の数も少ない・・・そんな風景。一見ただの建設予定地といった感じでした。敷地をぐるりと囲んだフェンスの一角に、犠牲になった人々の名前がかかれた長くて黒いパネルが掲げてあるくらい。その前に通りかかった若干の人々が、時折そのパネルを見上げておりました。

その下に献花台も無く、慰霊碑もありません。もしかしたら何処かにあったのかもしれませんが、一見して目立つ所には無かったということです・・・自分が手にした花を供える場所が見つからなかったため、まずいかなと思いながら、フェンスの隙間に花束を刺してその場を後にしました・・・

今でもイラクに大勢の兵士を派遣する原因となった場所。ニュースというバーチャルな空間で膨らんだイメージは自分の中でもひとり歩きしていたという事でしょうか・・・


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2006年05年11日   ニューヨークぶらり旅 2


セントラルパークという有名で大きな公園の近くに、アメリカ自然史博物館という施設があります。それ程の期待も無しに入った所、ここがなかなか凄い展示内容だったので驚きました。展示は太古の恐竜の化石と、現存している大型動物のジオラマ、プラネタリウム等の複合施設となっています。

感銘を受けたのは、その展示物のクォリティの高さと配置です。恐竜の骨は、手を伸ばせば触れそうな距離に鎮座し、360度自由に鑑賞できる。動物のジオラマは剥製?らしきその質感がとても生き生きしていて、萎びていないのでした。日本(例えば上野)の博物館では、剥製がもろ作り物っぽい表現でなんだか気持ちが悪い・・・特に目が死んで見える・・・

そのレベルの差に、さすがハリウッドの特殊SFX技術を持った国だと、勝手に感じ入ってしまいました。そして更に、その解説がわかりやすい図解で表示されている。英語の苦手な私ですら、何が書かれているのか理解できました。

以前に私は、日本国内のいくつかの「子供科学館」のコンテンツ制作の仕事に携わっていたことがあります。その時に身にしみた事は、子供向けに夢と想像力を育てるべきソフト産業の実情が、予算と規制ありきでとほほだった事です(ここでこれ以上詳しくは言えませんが・・・)

大人である自分が感動するだけの展示を目の当たりにし、ふと横を見るとアメリカの子供たちが当然の様に楽しそうに魅入っていたのがうらやましくも思えました。

ちなみに日本では秋葉原を発信源とするオタク文化にスポットがあたっていますが、それは民間〜企業が主導のものです。もう少し、国や自治体レベルでの文化的施設が発展しても良いのではないかと感じてしまいました・・・

写真は、ミュージアム館内のいくつかの展示


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2006年09年11日   グラウンド ゼロ


今日はニューヨークテロ事件から5年目の9月11日です。

私が気にしているのは、その後の戦争等いろいろな事を経て、 問題が果たして解決に向かっているのか?という疑問ですね。 宗教・哲学や信条等、立場を異にする人たちの溝は深まっていくばかりの様に思えます。

今年の春にニューヨークを訪れた時に、グラウンド ゼロ(世界貿易センタービル跡地)を訪ねました。これから新しい何かを創る準備をしている状態でした。

訪れる人々の表情は一様に静かで口数が少なかった。現場を囲うフェンスに掲げられた 犠牲者のパネルの黒さが少々不気味・・・

この秋には、911を題材にした映画が何本か上映され、また当時の惨状を忘れまいとする論議が高まるでしょう。それでも・・・どうして人間同士の対立が起こり、暴力の連鎖が続くのか?その根本原因に迫る視点は今ひとつ弱い様な気がします・・・

4月にコメントした時より、自分の中でも この事件に対する意識の何かが落ちてきたのを感じます。


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2007年03年05日   中国旅行で見てきたもの 1


私は中国旅行に過去二度行ってきました。最初は重慶から上海までの長い行程を 長江(揚子江)を船で下りながら約二週間旅した時。1997年の8月の事ですから 約10年前です。

21世紀に入ってからの中国の発展は目覚ましく、身の回りの多くの品々を裏返すと made in chinaと書いてある・・・その経済的躍進の予兆を自分の目で見てきた訳です。

その時に撮影したフィルムアルバムがやっと出てきました。一部は手元にあったのですが、大部分が引っ越しの時に何処かに入り込んでしまい、なかなか見つからなかったものです。現像して以来 ろくに見てもいなかったので、確認しながらブログにも載せて行くことにします。

まずは重慶の街。ここの産業は確か 石炭採掘が主なものだったと思います。街中が何となくすすけて空気が霞んでいた・・・はじめに訪れたのが「人民賓館」と「枇杷山公園」(←ブログ上では漢字が文字化けするかも)大きな広場があり、昼間は太極拳やスポーツをしている市民の人たちが大勢いてにぎやかです。中国は人口が多いとは聞いていましたが、その密度は私の想像を超えた規模でした。

夜間になっても人の数は減らず、花火をしたりしてとても騒がしい。
旅の出だしから圧倒されたのでした・・・ちなみに写真は全部ブレブレの写り・・・

Nikon NewFM2 SIGMA 28mm FUJIFILM RHP2
カメラを鞄に載せて撮影・・・その他撮影データ不明


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2007年03年08日   中国旅行で見てきたもの 2


1997年8月16日土曜日
私は中国 重慶の街中を歩いていました・・・

街の中には大きな幹線道路があって 荷物を積んだトラックが多く かなりの交通量でした。そこから一つ奧に入って行くと 全く雰囲気の違う住宅街が広がっている・・・

露店が並び、人々の生活のエリアがすでにそこにありました。公道全体が彼らの居場所でありテリトリーを感じます。部外者の落ち着く場所はありません。のんびり歩ける様な雰囲気ではなかったので、写真を撮りながら足早に通り過ぎました・・・

建物は皆古く、色彩的にもモノトーンに近い景色が続きます。空気は悪く 工場が近くにあると思われる・・・煤煙の油の臭いも感じました。それでも目の前に広がる風景は 得たいの知れない魅力を発散させていた様に思います。

古そうな木造のアパートが至る所にあり、それぞれが回廊で繋がっていてまるで迷路のごとく入り組んでいます。子供のかくれんぼにはもってこいの場所でしょう。一日中遊んでいても飽きない空間です。少し離れた所に新しい建物が造られている。そこだけ新しい・・・何だか異世界の様に見えます。

大勢の人が生活しているのを見ながら、その時私は 彼らの関心を全く受けていない自分自身に 何かつまらないものを感じていました。誰にも知られていない己というのは寂しいものです。

異国に来ている孤独を強く感じた一時なのでした・・・


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2007年03年13日   中国旅行で見てきたもの 3


中国 重慶市街めぐりの続きです。

古そうなアパート棟の方へ足を運ぶと 道路の舗装された所と工事中の様な場所が混在・・・ゴミ捨て場や瓦礫が転がっているすぐ横に 憩いの空間があったりして 全てが生活圏内という感じ・・・メリハリのある立体的な空間を感じます。

中国でよく見かけた光景は、至る所に少人数の集まりがあって何かを話していたり、カードや囲碁をしたり。アナログゲームが盛んといった感じでした(10年後の今はどう変わったでしょうか)意外と言っては失礼なのですが、公共の場は掃除が行き届いていて目立つゴミはとても少なかった・・・

それを裏付けるかの様な張り紙が至るところにありました。漢字の意味合いから察するに、「道路に唾を吐いたら罰金?」「健康診断を受けましょう?」そんなものだったと思います。電柱に一番多く貼られていたのが「淋病梅毒」の注意書きでした。

街中全体が渋い色調なので、ニュートラルな富士フイルムのRDP2(ISO100)で撮っても、まるでコダクロームPKRの様な雰囲気に映るのが面白い所です・・・


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2007年03年22日   中国旅行で見てきたもの 4


1997年8月17日 日曜日
私は重慶を出て 大足市街にある宝頂山へ行きました。
(ここは 1999年に世界文化遺産に指定された場所です)

巨大な菩薩像をはじめ、数多くの石刻が保存されています。
ルートは石畳の回廊になっており 文化遺産が延々と続きます。
仏教彫刻に関心のある人には この場所は大変魅力的な場所でしょう・・・
全体の規模が大きなせいか 観光客の密度が少なく感じる程です。

中国の石刻は 日本の木の仏像とはかなり趣が違います。

大きさと数で見る者を圧倒しますね・・・
私は宗教文化には詳しくありませんので、写真に撮った石刻の解説が出来ません。
観光ガイドによると、宝頂山の「大仏湾 摩崖」だけで 石刻は全長500mに及び、
31個の龕と窟があると書いてあります。
半日程度では 全部をゆっくり見ている余裕はありません。
私が目にしたのは全体のごく一部に過ぎなかったことでしょう・・・

石刻も風景の一部として鑑賞してきました・・・


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2007年03年24日   印象が消えない風景・・・


いろいろな道を歩いていますが ここは印象が強かった場所です。中国大足市の宝頂山の途中で通った竹林のトンネル。インパクトの強かったこの地点は しばらく立ち止まって眺めていた様に思います。こういう風景の中にいる時は 現実であることを忘れかけます。脳裏に焼き付いているせいでしょうか・・・後日 夢の中でまたここを訪れたりもします・・・

今現在 実際の記憶と夢で見た風景の区別がつかなくなりつつあります。そうして「印象の強い場所」は私の中で「消えない風景」になっていきます・・・


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2007年03年27日   中国旅行で見てきたもの 5


どこの国でも共通ですが 旅行者はよそ者ですから最初から歓迎はされません。大振りのカメラを構えていては尚更です。人にレンズを向ける時は まず「あいさつ」その国の言葉で「こんにちわ」と言えばよろし(笑)

旅行先で感じたことは、一言交わした前後で雰囲気が全く違うことでした。(まー 当たり前のことですが) 至るところで人々が集まりゲームをしたり茶を飲んだり・・・賑やかな風景の一コマ。

一方で、仕事を探している?と思われる人々も目立ちました・・・ 大通りに腰を下ろして何かを待っている集団があちらこちらに・・・そういう人々は観光目的で近寄って来るよそ者に 関心など持ちません。あいさつしても何の愛想も返ってきません。何かヤバそうです・・・(怖)

少し離れた場所から一枚撮ってそそくさと退散しました・・・

1997年8月17日 場所は大足市街。


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2007年04年11日   中国旅行で見てきたもの 6


1997年8月18日 月曜日
重慶を出て やっと長江のほとりに出ました(地名未確認)
中国にいると時折 遠近感がおかしくなる程 奥行きを感じます。
何気なく風景を撮っても 人が小さくたくさん写りますね・・・

ここは観光地とは言い難い雰囲気です。 異国情緒はたっぷり・・・
河川流域に数多く点在する拠点の一つに過ぎません。

長江の最初の印象は「なんて濁った河なのだ!」
河の大きさよりもその色に驚きました。
泥水がうねりながらゆっくりと流れています・・・

船着き場は見ての通り 浮き桟橋になっており、渡り通路もぷかぷかと心許なし。
現地の人たちは何気なく行き交いしておりましたが、何だか安全性に不安が過ぎる。
ここから水中翼船(高速水上バス)が出ているのです。

次に目指す「豊都」の街まで しばしの間 水上の旅となりました。
長江下りは まだ始まったばかりです・・・

Nikon NewFM2 SIGMA 28mm F1.8 & NIKKOR Ai50mm F1.4
絞り値・シャッタースピード 不明


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2007年04年12日   日本人メジャーリーガーの活躍


今日は「松坂とイチローの対決」でスポーツニュースが盛り上がりました・・・
私としては珍しいネタです。

午前中 自室にいたのでついテレビのチャンネルをNHKに。実は野球方面には興味が無いのですが・・・野茂がメジャーに行ってからは多少気にかける様になりました。日本人が海外で 果敢にチャレンジして活躍しているのを見るのは気持ちが良いのです。試合に関心がある訳ではないので、どのチームが勝ったのかはこだわっていません。野茂やイチロー、そして今 松坂がどう頑張っているのかに自然に意識が向きます。

ほぼ一年前になりますが、ニューヨーク→シアトルに旅行に行っています。シアトルではマリナーズのホームであるセーフコ・フィールド球場に行き、イチローの出た試合を見てきました。マリナーズ対アスレチックス戦。球場というものに足を運ぶのは 実はこれが二度目。最初は 小学5年生の時に巨人戦を見に行った時。ですから随分と間が空いています。

球場という大きな試合場の雰囲気が、プレイボールと同時に次第に熱気を帯びていくのを楽しんできました。自分の応援する球団や選手がいるファンにとって、試合を直接見に行くのは大変な喜びなのでしょうね(冷めた見方ですみません)

写真はイチローがバッターボックスに入った時のもの・・・小さくて分かりませんね(笑)

Nikon D100 AF-S 18〜70mm F3.5〜4.5G プログラムオート


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2008年02年09日   中国旅行で見てきたもの 7


30回程度のシリーズのつもりで始めた「中国旅行」のレポートでしたが、昨年の4月11日で途切れたまま すでに10ヶ月近く経過してしまいました。1997年の8月に 二週間かけて重慶から上海にかけて、長江を下る旅をしてきた回顧録を再開します。

1997年8月18日 重慶から豊都へ「水翼船」で移動
鬼城という寺院をはじめ、山中の史跡をいくつか探訪しました。

中国には至る所に寺院が見かけられました。日本の寺とは明らかに違うデザイン。特徴的だったのは、「門」が仰々しい作りだったこと。外と内をハッキリさせる境界線を意識させられます。観光案内書にも名があるような場所は、足場が比較的新しい石で整備されていました。

鬼城は道教の総本山として名が知れています。名の通り 鬼を祭っており、山全体でひとつの寺院を構成しているらしい。いくつもの山門を通りました・・・写真を撮る時には日時と地名・簡単なコメントはメモする様にしていたのですが、中には読めない文字の看板もあり 記述が不明な所もあります。今となっては当時の手帳に残った記録が頼りです。

中央の写真は、外壁の外れにあった休憩所?の様な小空間。とても趣のある場所だと感じます。残念な事にかなりのピンボケ写真。これ一枚しか撮っていないので仕方がありませんが・・・悠久の時の流れのうちに自然と人工物が融合した不思議な空間です。イメージとしては宮崎アニメの「天空の城ラピュタ」に出てくる様な環境ではないでしょうか・・・

このあと更に幾つかの有名な史跡を訪ねます・・・

Nikon NewFM2 SIGMA 28mm F1.8 & Nikkor Ai50mm F1.4
絞り値・シャッタースピード 不明


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2010年10年18日   中国の武漢


私が中国の武漢を訪れたのは1997年8月27日のこと。写真は、観光地で有名な黄鶴楼。日本の寺院とは明らかに違うデザインで異国情緒がたっぷりです。彼の地の風景は雄大であり歴史の深みを感じるものでした。

武漢の写真を蔵出ししたのは、今日ここで反日のデモがあった事にコメントしようと思った為。この所ネット上ではかなり過激な双方の応酬があるので、私も心穏やかではありません。自分自身も少々過激に反応しているのを否定できませんね。個人的には、どの外国の文化であっても関心がありますし、どの国籍の人に対しても仲良く寛容でありたいと思う。でも 正直言って、中国政府の日本に対する好意的でないメッセージには失望と怒りを覚えます。訪中した時に、滞在中のいくつかのホテルのTVでは、日帝(旧日本軍)を激烈に批判するドラマが流れていました。少なからず意図を感じる内容でした・・・

普段関わり合いのある仕事先の企業でも、今や多くのプロジェクトで中国とは付き合いがあるのが珍しくありません。すでに無視できない経済上の隣国なのですね。でも、暴力的な問題が起きているのは、今後の両国の付き合い方に少なからず影響を与えることでしょう。ただ、少し落ち着いて状況を見るならば、冷静であれ!それに付きますね。今は日本は理性のある態度を示すべきであると思います・・・

Nikon NewFM2 SIGMA 28mm F1.8 & Nikkor Ai50mm F1.4
絞り値・シャッタースピード 不明


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