新 着

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2010.09.15
2010.07.17
2010.07.13
2010.06.10
2010.02.13
2009.10.24
2009.00.00

2006年08月06日   石膏デッサン 1



アナログスキルのうんちく話から入りたいと思います。
まずは石膏デッサンの身の上話から・・・

デッサンについて・・・
私自身の動機としては、美術大学受験の為に描かざるを得ない勉強でした。高校時代、自分の進路をグラフィック方面に見いだそうと考えた私は、さっさとやることを絞って絵を描き始めました。絞った・・・何を?

・・・勉強を絞ったのです。

美大受験に必要ない学科はさっさと投げ出したのでした。口実ともいいますが。

そして、美術系の予備校に通い始めた。場所はお茶の水美術学院という所でした。正直に言うと、私の学業の中で、一番真面目に頑張ったのは予備校時代だったのかもしれません。絵を描くことはとても面白かった。石膏デッサンは「基本」でした。

何を学んだのかと言うと、まずは観察すること。目の前のものを、何時間も見つめ続けなければなりませんので、とにかく見る。ずっと見ていると、不思議なことに何かが違って見えてきます。見ている間に物質が変化する訳はないので、変わったのは自分の感覚の方でしょう。そして、どうやったらうまく表現できるかという努力。秘訣らしい気の利いたものは無く、とにかくたくさん描く。まずは慣れろということでしょうか・・・

そうした事を1年、2年と続けていると、誰でもある程度はうまくなるものだと判りました。「真面目に頑張ればそこそこ上達できる」という事です。

「継続は力なり」

この言葉は、中学の時の恩師が口癖の様に話していたっけ。
共に頑張った友人がいたのも、やる気が続く大きな力になりました。

話が一気に飛びますが、私は現在、某専門学校でグラフィックのスキルを教える立場になりました。ここ数年授業でも、デッサンを取り入れています。目的は無論学生の絵を描く力の向上。私も一緒に描いています。自分自身の精進もしなければなりません。
久しぶりに描いて見ると、何だか懐かしい感覚が蘇ってくるようです(写真)

スキル論も大事なこと。でも、難しいことはとりあえず置いておいて、絵を描くことは楽しいのだという入り口を示していきたいと思っているのですが・・・


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石膏デッサンの手順

2006年10月19日   石膏デッサン 2


今日も講師をしている専門学校の授業で石膏デッサンをやって帰ってきました。少しばかり心情を吐露します・・・

かつて受験の時に散々苦労して描いてきたのですが、今は描かなければならないというプレッシャーではなく、自由な気持ちで描ける環境です。それはある意味理想的ともいえる・・・

学生にデッサンの基本を教え、一緒になって描いているのはとても楽しいです。デッサンは短期間でマスターすることが難しいスキルで、またどの様に教えれば良いのかという基準も有るような無いような・・・私が率先してサンプルを描いて見せ、学生は試行錯誤をしながら学んでいくという状況です。

そんな中で、私自身もより上手いデッサンを描ける様になりたいと思います。なにしろ、学生の時に「天才」と思われる人物のデッサンを見て以来、ずっと努力だけでは叶わない雲の上の存在というものに頭を押さえつけられているからです。世の中には、天性の感性といううらやましい才能を持っている人物が確かにいますね。
うらやましく思うだけでは能が無いので、そういう存在を目標として凡人は頑張るしかありません。

また最近、私はイラストというものをちゃんと描いてはおりません。(仕事でパンフレットの挿絵は時々描きますが)それは何故かというと、正直描きたいというテーマを失しているからかもしれません。授業用に何かしら新しい今風のサンプルを作った方が良いのですが・・・
単にスキルを誇示するような絵を描いても心が満足しないでしょう。やはり美術や音楽は、心を自由にして新しい何かを欲する状態にしておかなければならないと感じます。

現在 写真や映像に向けている意識のうちの何割かを、他にも回す必要があるように思うこのごろです・・・


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2007年01月18日   石膏デッサン 3



昔 覚えた事は 頭の中では「すでに習得したこと」として認識しています・・・デッサンの授業では、学生と一緒に私も描いておりますが、最近ふと考え込む自分がいます。

「自分は何でこういうタッチで絵を描いていたのだっけ?」

何かしっくりこないものを感じる事が増えてきました。それは、うまく描けないという事ではなく、自分のものの見方がいつの間にかまた変化しているということか・・・特にこの一年ほどの間に、以前の描き方に疑問が出てきました。要するに「昔の自分」にダメだしをする様になったということです。

しばらくの間、上から見下ろしてものを見ていたのかもしれません。初心に帰らねばなりませんね・・・


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2007年05月27日   最初のレベルを振り返る・・・


ネガティブな表題ですが こう言うしかないものが出て来ました。

高校時代のクロッキー帳・・・押し入れの奧に挟まっていました。
ちょうど美術大学受験を始めた頃のものだと思われます。

それまではイラストや漫画を書くことはありましたが、ちゃんとした絵は果たしてどうだったか?美術予備校というところに通い始めてたところ、己の画力の無さを思い知らされる事になりました・・・

幼稚園から高校まで、美術は得意分野で良い点が取れるのは当たり前だと少し天狗になっていました。昆虫採集などして、身の回りへの観察力は人よりちょびっとだけ良かったのが幸いし、細かく丁寧に描くという作業が得意だった為です。強いていうなら、他の人が描けない事を気にしていないのが不思議でさえあった・・・文化祭のポスター作りなど率先して参加し、必ず自分のデザインをごり押しして採用させていました(汗)

しかしながら・・・ちゃんとした絵を描く環境を与えられた時、身の回りには実力のある者達が揃い、自分が一番下手くそではないかという状況で新たなスタートラインに立ちました。その頃描いた証拠品なのであります・・・

今・・・中を見ると笑ってしまいますが、最初はこの程度だったのか・・・としか言えません。特に平面構成のラフスケッチなどは非道く・・・わざわざ公開する程の意味は?です。後悔の文字の方が適切かも(苦笑)少しマシなのを一枚だけ。モデルさんのどれもが顔だけ描いてありません・・・何故でしょう?恥ずかしくて顔を見れなかったのか?
(高校生の頃にヌードのクロッキーをやっていたのはちょっと驚き)

割とちゃんと描けているのは、クロッキー帳の表紙に一生懸命書いた「機動戦士ガンダムに出てくるシャア」のイラスト。汚れない様にちゃんと表面にセルを切ってコーティングしてあります(あんまりまじまじと見るものでは無いので、また元の場所に封印しましょう)

そう言えばこの頃は、漫画を書くのも一生懸命だったと思います。
最近イラストも漫画も描いていませんねー・・・
大人になると情熱がだんだん減っていく気が・・・
いや、確実に減っていますね・・・


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2007年09月21日   東京ゲームショー2007



昨日 千葉幕張メッセで開催されている東京ゲームショーに行ってきました。千葉でやっているのだから東京という冠を付けるのはおかしいと思いつつ、会場へ・・・

何でも今年のゲームショーは過去最大規模!プレステ3・Wii・X Box360と大手プラットフォームが出揃って新作ゲームが目白押し。新型PSPのお披露目もあって話題が多いのも活気がある理由でしょう。今や日本の輸出産業となったこの祭典に、海外からの取材や企業のバイヤーまでもが大勢押しかけている様です。

私が最初の家庭用テレビゲームをやったのはアタリ社のポン。日本での商品名はテーブルテニス。確認するとなんと1972年に発売となっています。これはアーケードゲームでも大ヒットしましたが、そんなに昔のことだっけ!?もう30年もたっているのかとショックを受けます(笑)その後、スペースインベーダーやギャラクシアンは結構やりました・・・

そして2007年のゲーム業界は・・・驚く程市場が拡大し、最先端技術を駆使したハイテクIT産業の中心的存在です。
私は広告代理店のサラリーマンをやめた頃に、マルチメディア関連のフォーラムによく顔をだして 「未来」を勉強していた時期があります。その時でさえ 現在ほどの盛況を予想出来ていませんでした。

でも その頃から私にとってのゲームは娯楽では無く、ビジネスコンテンツを具現化する戦術・手段としての方法論と変化しています。コンテンツを作る意識で見た場合、それは仕事であり 私自身がゲームを楽しむ事は次第に無くなって行きました。私は家でテレビゲームをしなくなっております。

そういう目で見た場合でも、ゲーム産業のノウハウは大変魅力的です。そのスキルを私はゲームだけに利用しているのはもったいないと思う。マルチメディア論が流行った15年位前でも、あらゆる広告・マニュアル手段に展開が可能だと言われていました。もっともそれは今のウェブ方面でかなり活発に行われている事ですが・・・この業界の可能性について前向きな幅広い進化と展開を期待して止みません。

ただ こうしたスキル寄りの発想に、私自身最近反省があります。それはもっと純粋に楽しむ感覚に戻るべきということ。直接ゲームをやらなくなった私は、本当に今のゲームの面白さを理解しているのか?という事です。オタク文化に対しても大人としての視点、割り切りが出来てきてしまっている。もしかしたらこれが思考の老化なのかもしれません・・・

東京ゲームショーに行った主な目的。私が講師で顔を出している専門学校のゲーム科のブースの様子を見てきました・・・学生は、お客さんの対応に頑張っていました。これも勉強として良い体験なとなる事でしょう。そして、学校・学生が参加するコーナーの存在もすっかり定着した感がありますね。一言で言うならば、恵まれた環境において自由に好きな事が勉強できる素晴らしい時代であります。


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2007年11月18日   デザインフェスタ2007



東京ビックサイトで年に二回開催されているデザインフェスタ。
個人やグループで参加できるクリエィテブ活動の発表の場です。

専門学校でも 担当しているデザイン科の学生さん数名が参加するとの事なので、会場に行ってみました。彼らの作品は手作りのTシャツやバッジ、ポストカードetc. パソコンで基本的なデザインワークをして、それを出力したものです・・・Tシャツはシルクスクリーンで刷ったもの。最近ではアイロンプリントが多いですから 手の込んだ作業と言えます。バッジは型が用意されたキットを使い 市販品と同等のものがつくれます。見どころは、オリジナルデザインそのものの魅力で勝負・・・多くのお客さんの足を止め、手にとってもらえるかどうか期待したいところです。

このイベントを見たのは初めてだったのですが、その規模は予想していたよりも大きく、ジャンルは何でも有り?で混沌としていました。

中には発表の場を求めてきたと思われるアーティストのパフォーマンスなどもあり、会場内は何処へ行っても人がごった返しています。単なるフリーマーケットでは無く、自分たちで作ったオリジナル作品をお披露目する機会として 大変面白いイベントでありました・・・


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2008年01月24日   絵を描くことの基本・・・


今日は 専門学校の今期のデッサン授業の最終日でした・・・

学生には最初から話してある事なのですが、デッサンはやったからと言って 必ず絵がものすごく上手くなるとは限りません。でも、努力しないことには上手くなる事はあり得ない。少なくともやらないよりは絶対やった方が良いと・・・そしてスキル云々よりも、モノを観察する目と感性を磨く努力とも言えます。また、絵のなんたるかを教える事は難しく、上達するための手助けをする程度の事しか出来ません・・・

私がやっているのは 率先して描いて、お手本?を見せることであります・・・

話は変わりますが、今週「まんがの達人」という隔週発行の教材付き教本シリーズが刊行されました。この手の本はデアゴスティーニが得意とするジャンルなのですが、発行元はアシェット・コレクションズ・ジャパンというところ。知らないなー・・・
創刊号は390円と安いので試しに買ってみました。毎回画材が付いているみたいで、9巻揃えると漫画を描く環境が整うというもの。そして漫画の書き方の冊子が付いています。更に詳しい内容はHPとの連携でサポートしていくらしい・・・

何かを始めるきっかけとして、こういう企画は有りだと思います。ただ、環境を整えれば必ず出来る様になるとは限りません。漫画自体を軽くみる意見を耳にすることがありますが、そう思う人は四コマ漫画でもいいから描いてみるとよろしい。かなり難しい創作活動だと感じるのではないでしょうか。最初からくだらないと決めつけている人は論外ですが、漫画そのものは立派なエンターテインメントだと私は捉えています。

まずは始めてみることが肝要なので、スタートラインとしては有効な試みであると言えます。ただし、同時に感じる疑問があります。創作活動というのは、各自が表現したい「何か」があってそれをどう伝えるかスキルを身につけて行くもの・・・目的が先であり、手段は「従」であると思います。教材は手段先行型のアプローチ。
この「まんがの達人」という企画が成果をどの位生み出せるのかは注目に値します・・・

デッサンの話に戻りますが、絵を描くことの基本はこちらにあると私は考えます。漫画を描きたいのであれば、いきなりイラストを描くのではなく、デッサンから始めて欲しい。一応絵を教えている立場からの意見です・・・


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2008年09月18日   継続は力なり


この言葉を最初に聞いたのは、中学時代の担任の恩師からでした。
事ある毎に「何事も続けてやらなければ身に付かないのだ!」っと言われ続けて、その言葉を憶えました。そして肝心なのは・・・実践することで「具体的な何か」を身につけること。

それがいつの間にか・・・言われる側から言う側に回っております(汗)

デッサンに関しては、かつては受験の為に勉強としてやっていましたが、当時描くこと自体が楽しいことで純粋に一生懸命やっていたと思います。今は立場上教える為にやっていますけれど、描いている最中の意識に何ら変化はありません。今でもやはり楽しいです。

今いちばんの心配ごとは、近年の学生さんが絵を描くこと自体にどのくらい情熱を持っているのだろうか?という疑問・・・将来グラフィックの仕事につく為にという事情は脇に置いておいて、まずは楽しんで取り組んでもらっているのだろうか?と思う。無論、その楽しいという意味は、テレビゲームをプレイする楽しさとは違います。探究し発見し何かを高める喜びに通じる感覚かと。

絵を描くのが好きな人は、元々 人から強要されて描いているのでは無いと思います。描きたいから描くのです。そこから始まってやがて仕事に繋がれば万々歳かと考えます。現在、専門学校のデッサンの授業は自由選択制で、それは自由参加に近い。最初部屋いっぱいに来ていた人数が現在数分の一になりました。
「やってもすぐには上手くなる保証はありませんよ」と言った言葉の意味をどう感じてもらったのかなー?

「継続は力なり」

まずは続けて参加してもらわなければ実践されたことにはなりません。たったの1年間ぽっちのカリキュラムです。継続して参加している人には その意味を実感してもらいたいと切に願っております・・・


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2008年10月24日   石膏デッサン 4


専門学校のゲーム科のデッサンの授業。
いつもの様に学生に混じって描いております。
ちょっと自分自身のこと・・・

昔っから「描けそうで結局描けない」というジレンマがあります。
それは・・・石膏の白さが今ひとつ表現できない。
まぁ フォルムを捉える程度なら有る程度のレベルにはあると思いたいところ・・・

真に上手い人の石膏デッサンを見ると、どう見ても本当に白く見えます。
同じ道具を使って同じように描いているのに、どうしてここまで違うのか?
高校生の時以来、ずっとトライしているのに未だ到達できていません。
おのれは凡人だから・・・と言ってしまえばソレまでですが(苦笑)

頭の中にある理想的な作画イメージは浮かんでいるので
いつまでたっても理想に近づかないじれったさはストレスでもあります。

恐らく今までとは違う視界を持たなければ、更に一歩先に進めないかと思います・・・


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2008年11月27日   石膏デッサン 5


今まで有る程度の枚数は描いてきましたので そこそこ安定して描けるハズ・・・などとタカをくくっているとしっぺ返しが来ます。

先月末から 久しぶりにブルータスをモチーフに設置しました。1回の授業が90分なのでだいたい4回くらいで仕上げの目処をたてたい所です。ところが、慢心があったのか見事に失敗しました。ふと気がついたら体の立体感が感じられないのっぺりとしたイラスト風のデッサンに(汗)どうにも取り繕えなくなって 細かい描き込みを一旦全部消しました。っで ボリューム感を優先してフォルムと陰影の取り直し。現在若干復活してきたかな?という感じです。同じものを何回描いても これは慣れるという類のものではありませんね・・・

ブルータスの石膏像は私にとってとても因縁があります。っと言うのも、かつて大学受験のためにこれを購入して持っていたからです。今風に言うと、大型のフィギュア人形が部屋に置いてある様なもの。夜寝る時は、暗闇に浮かんだブルータスが自分の方を見ている気がして落ち着きませんでした。なので使わない時は180度回転させて向こうむきにしたりしてました(苦笑)持っていたのでいつでも描けました。ただ狭い6畳間にこんなものを置くと距離がとれません。いつも見上げる様にして描いていました・・・

この石膏像を見ると、実力に全く自信が無かった学生時代を思い出します。でも 同時に将来グラフィック関係の仕事が出来ればと夢見ていたことも。その夢は今叶っているのか?そう考えると、シビアな自己評価では、まぁなんとか納得出来る合格点そこそこかなー?もっと努力して上の視界を目指したいものです。

時々気分を若くありたいと意識しないと 疲労した顔の自分に気がついてハッとしますね・・・


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2009年01月15日   CG of the TORAUMA


このシンプル?なコンピューターグラフィックス・・・

いったい何か?と言うと、私が20年前に作ったものです。
かなりダサイ出来です(汗)
昨日フィルムの整理をしていたら、このネガが出て来ました。
でも、こんなものでも、当時のパソコンのスペックとスキルを
考慮すると、涙が出る程の苦労をしております・・・

作成環境は・・・
NEC PC-9801VX 8MHz RAM 640KB 1.2MB FD5inchモデル
GraphicBoad SuperFrameΣ Aplication C-Trace
640Pixel×400ライン出力BMP→ネガフィルム変換処理

数字を見るとケタが間違っているのでは?と言われそうですが
これで正しいのです。CPUはインテルの80286で一応16bitマシン。
ちなみにHDなんてものは付いていません。
当時のハイスペックモデルでした。それにグラフィックカードを
後付で乗せています。このSuperFrameΣというボードだけで
10万円位したと思います・・・

C-Traceは現在のCGソフトの様なGUIインターフェースでは無く、
XYZ座標上にポイントを指定し、簡単な幾何形体の組み合わせを
作る程度しか出来ませんでした。数学の苦手な私にしては目一杯
頑張って作ったつもりなのです・・・
テクスチャは、マニュアルにいくつかの組み合わせの数列が載っており、
ゴールドのメタル感を出すのも試行錯誤の結果であります。

問題はレンダリング。
この画像一枚を作画するのにほぼ一週間(150時間)程かかりました!
完成する前には、3日ほどレンダリングして設定の間違いが発覚し一から
やり直した事が数回ありました。
(プレビューはまだ存在してない時代です)
そのデータを5inchのフロッピーディスクに入れ、五反田にあった
FUJIFILMのサービスセンターに持ち込んで、ネガフィルムに出力して
もらいました。それだけで数千円かかったと思います・・・

これは、私のパソコンでのグラフィックワークの出発点にして
記念すべき挫折のメモリアルです。
私は最初、3Dグラフィッカーを夢見ていたこともあったのでした。

この画像は午年の年賀状の図案にして出しましたが・・・
「作業の出来が不十分?」「コレ馬だったの!?」
「何で眼鏡かけてるの?」
あまりの不評を買って、目一杯落ち込んで立ち直れませんでした。
3Dグラフィックへの熱は急速に冷めたのは言うまでもありません。
私はヘタレだったのです・・・

この午の名前はトラウマと命名しますか(薄笑)


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2009年01月16日   石膏デッサン 6


専門学校の後期のデッサンの授業が終わりました。
ひとまず一区切りとなります・・・

1年間継続して頑張ってきた学生の皆さん お疲れ様でした。

いつも言葉にしておりますが・・・
引き続きこの先も絵を描くことを継続して行ってもらいたい・・・

そして、私も何か新しい作品を描かなきゃ・・・


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2009年02月13日   専門学校の卒業制作展


今年も専門学校の卒業制作展の日がやって来ました。今春卒業予定の学生中心で、一年間努力して作ってきた作品をお披露目する日であります。私が関わっているのはゲームとおもちゃのコースなので、そこのブースに顔を出して来ました。

まずは・・・
エントリーしている皆様方 今日までおつかれ様でした。
会期の二日間 協力して頑張りましたね・・・

さて・・・毎年 同じことを繰り返して見てきていますが、その年によって集まる学生さんとその活動傾向には違いがあります。良くも悪くも紆余曲折が多々あります・・・今年度に関しては、正直言って割とすんなり進行したのかも知れません。そう書くと、問題が無かった様にも聞こえますがそうとは限らない。作品がしっかり形になって展示出来たのでそれは結果オーライです。その一方で・・・今年も考えさせられたことがある。特にゲームコースの方は、共同作業で一つの作品を作り上げる仕組みになっています。その参加した人それぞれに温度差があったりします。個々のケースには触れませんけれど、やはり参加の仕方には個人のモチベーションが大きく関わってきます。

一番大きなポイントは「絶対にプロになってやる」という意識の有無でしょう。
本来 専門学校は、スキルに重点をおいて実践的な実力を育むカリキュラムが中心です。そのため、参加する人はポジティブに参加するのが前提条件であります。ヤルのが当たり前で話が始まっています。ところが、最近の傾向では、ゲーム業界に行きたいからゲーム科に入った来たのかどうか、その目的があやふやに感じる人が見受けられますね。そうすると、積極的に前に進むという前提条件が崩れてしまいます。共同作業において、作業進行に色々影響が現れてくる・・・
・・・中略・・・
二年時において、私は作品を対外的にPRすることの意味を話してきたつもりでした。作品は作って満足するのでは無く、見てくれる人にちゃんと受け渡して納得してもらわなけえば完結しないと・・・その部分は結果から見るとまだ足りない様に感じました。販促や広告の領域に入ってくるので、純粋にスキル中心で考えている人にはなかなか受け入れてもらえないのだろうか?結局、授業の中でポスターを制作して一段落となりましたが、その意味はもっと広がっていかなければなりません・・・単に内容説明するだけで済む話でも無いし。話が抽象的で分かりづらいですね。すみません・・・

一生懸命頑張った人はそれなりに得たスキルと経験があると思いたい。そうで無い人や体制に対する不満や注文があるでしょうが・・・結果を出そうと努力した姿勢は高く評価できます。その姿勢を身につけた事が最大の成果であると私は思います。なので 取り立てての心配は感じません。そうで無い人たち・・・これからは自力で活路を開くのみ、厳しい社会が待っていますので覚悟が必要になると思います。

・・・せっかく自分のやりたい事を目標に掲げて頑張ってきたのですから、チャンスを見つけて生き延びて行って欲しいと希望します。卒業と同時に新たなスタートが始まりますね・・・

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2009年10月24日  デザインフェスタ Vol.30


年に二回行われるデザインフェスタは、今回 第30回目の開催になります。コンセプトはオリジナル&クリエィテブ作品であれば良し。デザイン・工芸からダンス・パフォーマンスまでごった煮でカオス状態。要するに何でもありですね・・・私はここ数年程連続して見に行っております。

最初に立ち寄ったのは、以前関わり合いがあった専門学校の学生が 有志で出しているブース。馴染みの面々と久しぶりに会って話をしてきました。彼らの中には時折連絡をくれる人物もおりますので、話が通ります(笑)創作活動・・・何かものを作ったり作業する場合、仕事で請け負ってやるのと自分の意志のみでクリエイティブするのでは本質が大きく違うと思われる。前者は割り切りが必要であるワークであるのに対し、後者は純粋な発想と要求からくるもの。それはとても大きな意味の違いがありますね。

一方で、デザインフェスタでは物売りも出来ますから、プロが自分の作品を売り込む場としても利用しています。そのすぐ横で、学生さんが一生懸命作った作品を展示、あるいは買ってもらおうと努力している。その混沌とした空間はとても貴重に思えますね。私はそういうお祭り騒ぎが好きです。チャンスや何かのきっかけが生まれますし・・・そしてまた、自分が全く考えもしなかった異質の発想などに触れることもできます。ちょっとしたカルチャーショックなども体験できて面白い・・・

今回もいくつか「光る発想」を見かけました。そこから受けた感銘が私の収穫であります。それは自分のワークに多様性を与えてくれることでしょう。



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2010年02月13日  専門学校の卒業制作展


某専門学校の卒業制作展を見に小雪の降る中 出かけてきました。今年は諸般の事情があって私は講師として関わっていません。でも、昨年時に関わっていた1年生が進級し、もう卒業を迎えるのです。時間のたつのがいかに速いのか実感する時でもある…まぁ、顔見知りの学生さんたちなので、どんな作品を作ったのかを見届けに行ったのでした。

今回は立場上アウトサイドなので、客観的に努めて見て回りましたが、例年に比較しても特徴を感じる部分がありました。評価できるところは、しっかり完成させてまとめあげているところ。その割合が極めて高かったのがとても良かった…それは一見地味な評価ではないかと言われそうですが、とても大事なポイントです。完成させる=締切を守って作業を完結させるというのは基本中の基本!いかにすごい事にチャレンジしていても、完成していなければ現実には評価の対象外にしかなりません。毎年そのところが意外と守られていないのですよね…

その上でデザイン科の学生さんたちのパネル展示はとてもよくまとまっていたと感じました。模型やディスプレイ展示もちゃんとしていたし、気持ちよく見ることができました。やはりデザインをしっかり学んできた成果が出たということでしょう。もう一方のゲームクリエイター科とおもちゃ科の展示の方も、完成した作品の展示が多くて好感が持てました。それは見に来るお客さんを迎える準備が出来ているという事ですから。強いていうなら、こちらの科の方は、昔から私がコメントしてきた広告(客に売り込む)という部分の配慮はもっとあってしかるべきだったかなー。いやいや、今回は外野だからあんまり偉そうな事をいうのもなんだかナー…

でも、せっかくだから…ちょっと突っ込んだコメントを追記します。

学校という所では、まず理論と具体的なスキルをマスターしてものづくりの基本を覚えなければならない。そこから始まるのですが、その分野を仕事として己の武器にするならば、授業のカリキュラム以外の部分において、必ず身につけていくべき重要な能力があるのです。恐らくは、それが「最も大事」であるべきスキルとなるもの。それが「コミニュケーション能力」であることは間違いないと私は思う。好きな事をやって作品を作るのはある意味当たり前のこと。一人で作ってもチームで制作しても、作品の発表に至るまでに大勢の人たちの協力や支援が必要になります。その人達との関わり合いにおいて、各自が何をすべきかの思慮深さが同時に養われているだろうか?自分勝手にうぬぼれていないだろうか?授業でもその部分は、講師陣からさりげなくアドバイスがなされているはずですが、実質的な採点の対象になるとは限らない部分でもある。学生さんたちが自発的に気づいてそして身につけなければならない事なのでありますね…その延長線上には当然のごとく、外部に情報を発信するための「宣伝・広告」というものが必要になる訳。それも「作品の内」なのですけれど、いつもおまけ扱いにされている感じがします…何もものすごい看板を作れとか言っているのではありません。「どうぞ見てくださいね!」というサービスがもうちょっと具現化していればいいのです。その為のアイデアが「ゲームとおもちゃ」には特に必要なのだと感じるのですが どうでしょう…

オリジナリティについては…プロでやっている人たちでさえ、必ずしも出来ているとは限らないので私も大きな事は言うまい…けれど…この部分については「まだ仕事でやっている訳では無い」自由な立場を活用して、チャレンジしてもらいたい部分(あくまで締切を守ってのはなしですけど)そもそも何が「新しい」ものなのかも論議しなければならない。今の世代の人たちにはこの問題意識が少し薄いような感じを受けます。それができればほんとに大したものなのですけれど、やはりこの点においてはもっと冒険する姿勢が欲しいですね。



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2010年06月10日  学生主体の情報発信始めたい


私は 今春からまた専門学校のおもちゃ科とエンタメ科の講師に復帰しました。そして新たに色々方針を変えて進めることにしました。その主旨として、モノを造ることと、情報発信をすることは同じ位 大事なことなのではないか?という考えがあったため。っと言うのも、学生さんがせっかく何か作品を作っても、それを外部の人たちに診て貰う機会が少なかったこと。イベントに参加したり、卒業制作展などの発表機会が今までもあったのですが、より大勢の人たちに診て貰う方法は無いのか?という状況を検討した結果です・・・

そこで・・・時間的な制約のあるイベント以外の方法論を実施する事にしました。それは、学生主体の情報発信として「自分たちのHPサイト」を新しく作る企画です。実は過去にもHPを作ったことはあったのです。でもPRという色合いが少し弱かった感じがあり、その後立ち消えになってしまいました。今年はその辺りを私が担当できることになったので、一から構築し直そうという流れを作ったのでした。

そこで検討したのは・・・おもちゃ科はWEB制作のプロ集団では無いので、HPを作るにあたっては「構築・更新」が簡単で楽であることを条件にしたい。私の方でその手段(アプリ)を提案させてもらいました。それは私自身がこれまで使ってきた「BiND for WEBLiFE」というソフトを勧めたこと。HTMLを自力で組むのでは無く、最初から用意されたテンプレートを活用してさっさと形にしてしまいたい!?その部分にあまり労力を注ぐ余裕が無いし そこが本題では無い為です。重要なのは、何を情報発信して自分たちの存在をPRすべきなのか・・・そちらを努力することに力を入れたい。

今日・・・買って来たアプリケーションをPCにインストールしたばかりなので、まだまだスタート地点です。それでも出来るだけ早く世間に公表できる様にしたいと思います。肝心なのは、学生さん本人達の意識の問題となるので、私はヒントとスキルのサポートを行うのみ。でもでも 期待しておりますよ (^○^)/

今はもはや個人が自由に情報発信できるご時世なのですから、どの様なポジションの人でも、楽しく感動できるネタを提供できるはずなのです。それが新たな何かを呼び込んで、次へのステップを掴むきっかけになればしめたものでありますね・・・



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2010年07月13日  専門学校のおもちゃ科の紹介


日頃ブログ内では、仕事の背景に触れる事は慎重にしています。広告のクライアントや専門学校の個人情報的な部分に配慮が必要なので積極的に書けないからです。近年そういう所はどんどん厳しくなっていますね。でも情報発信が必要だと感じる部分は、可能な限りポジティブに行っていきたいところ・・・

6月10日におもちゃ科のサイトを作って自分たちから情報発信すると書きました。現在サイトの枠作りをしています。元々ここはWEB専攻のメンバーでは無いので、そう簡単には事が進みません。ですがそこそこ形になってきたと思います。なので、まだしっかり整ってはいません・・・フライング気味ですけど公開します。私のHP「分解骨碑」とも連動させていく予定です。

-トイトイ- ToyToy

「銀杏ぶたのブログ」というのも連動させました。こちらでコメント書込が可能です。まだ学校名などは積極的には明かしませんが、中を辿っていけば分かりますし、私のマイミクさんには同学校関係者も少なくないのでよろしくです。是非見てやってください。

今日はサイトに載せる写真を撮るための講義などをしていました。簡易な撮影セットを組み、基本最低限のライティングをして模型を撮ります。ほんのちょっと、構図や照明に配慮を加えるだけで、写真の見栄えは良くなりますのでコツを知っておいて欲しいもの。そんなところをレクチャーしました。

これからのご時世では、もの作りをするクリエイターは、皆自らの情報発信を積極的にしていく必要がある・・・それを基本姿勢にしてこれから頑張って行きたいものです。当面は試行錯誤が続くかも知れません。でも、ここから始まります。OBに声をかけ、後輩を育て、他の科とのコラボレーションまで発展したら、それは素晴らしく意義のあることだと考えております。是非ご覧の皆さま方のご意見や参加も期待しておりますので、これからのご支援をよろしくお願い致します。

写真は撮影風景と、木でつくったおもちゃの習作など・・・



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2010年07月17日  東京おもちゃショー2010


本日は、東京ビックサイトで行われている「東京おもちゃショー2010」に行って来ました。近年こうしたイベントはすっかり定番となり、毎年多くの催し物が開催され、日本は本当に恵まれた市場になっていますね。他にも模型玩具系全般なら「キャラホビ」、ゲームなら「ゲームショー」、漫画なら「コミックマーケット」、創作系は「デザインフェスタ」などなど、探せば一年中色々な企画が目白押し状態。景気が悪いとは言え このようなバラエティーに富んだ状況は、他の国では例を見ないのでは無いでしょうか?

その中でも「おもちゃ」のジャンルは デジタルものと違って年季があり、対象年齢も0歳から大人までの幅広い品揃えを誇るもの。今回のおもちゃショーでは、幼児向けの玩具がけっこう多くて私には驚きがありました。マスコミの前報道でもそれほど子供玩具にスポットを当てていませんでしたから・・・でも、私の予想以上にベビーカーに子供を乗せた親子連れが多く、いつの間にかそういう層が大事なマーケットになっているのですね。少子化が問題視されていますが、こういうイベントで活性化しているのは好ましい感じがします。おもちゃを企画・制作する側には親子を対象にした玩具の発想も不可欠だと再認識しました。

子供向け玩具は、安全・丈夫・情操教育・・・等々のキーワードがあって、ブランド化している有名なメーカー品はその辺りが徹底しています。小さくて子供の口に入る様なブロックの類は、対象年齢がやや上がる。つまり部品の大きさと対象年齢は反比例する感じ。私が子供の頃のおもちゃは、色は落ちるし砕けるし造形も今一つ・・・最近のおもちゃの出来具合は本当に素晴らしい完成度です。

キャラクター商品自体はあまり多くありませんでした。やはりそちらは近年「キャラホビ」の方へスライドしていて、こちらでは種類が限られています。ただ、会場では最大規模の展示面積を誇るバンダイのブースが、キャラクター商品を全面的に展開していて目立ちました。仮面ライダーやガンダムなどの人気は相変わらず。入場には列に並んで40分かかるほどの盛況でした。プラモデルなどの展示も多く、それもおもちゃの一角を担う大事な一ジャンルでありますね。他のブースで人気があったのが、ブシロードと遊戯王カードのブース。トレーディングカードは熱狂的なファンがついています。そして・・・アンパンマン関係グッズを扱うブースは別格扱いでその種類がとても多かったのには驚きました・・・










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2010年09月15日  クリスマスおもちゃ見本市2010


秋がこれからやってくると言うのに、タイトルにはもう「クリスマス」。それは・・・先のシーズンを見越した業界のイベントなのでありまして、一般には気の早いイメージに映りましょう(笑)おもちゃ業界も、新企画・新商品を公開展示して、積極的なPRと商談を行う時期なのですね。

今日、東京浅草で開催された「クリスマスおもちゃ見本市」に行ってきました。専門学校のおもちゃクリエーターコースの学生さんを連れてのことです。本日は、こういう場に詳しい講師の方(普段お世話になっている)に色々案内していただきました。目的は業界研究・記事の為の取材+学生の自己PR活動もあり。うまく業界関係者とコネクトを作れればオンの字の目論みもありましょう。

そう言えば、夏場に「東京おもちゃショー2010」にも行って来ました。でも・・・場所が浅草のイベントとなると、かなり雰囲気が違いましたね。やはり人情味溢れる下町の趣きがイベントにも影響しているのかな?と・・・今回はプレス公開日で、商談中心のイベントでありました。おもちゃについての熱い議論と売り込みに華が咲いた現場でした。

その具体的なレポートは、直接取材した学生さんたちのHPと業界研究誌に任せることにします。私はその記事の足しになりそうな写真を撮る為に、ブースを回っておりました。懐かしいブリキのおもちゃやカルタなども健在だったし、珍しい外国のおもちゃの輸入品もあったりして、私自身楽しく過ごした一時になりました。テレビゲームと一線を画した物質玩具の面白みがここにあります・・・

→学生が発信するおもちゃのサイト「ToyToy」(定期的に情報更新中)


ToyToy



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2010年09月30日  プロの話を聞く機会・・・


専門学校では、時折 業界のプロの方々に、現場の生のはなしを講演して頂く機会があります。今日は大手ゲームメーカーの方にお話をして頂きました。業界研究の担当講師の方の働きかけで実現したものです。無論それは、将来プロを目指す学生さんたちの為なので、彼らには対話の場としてセッティングがされています。

重要なことは・・・何を目的として何を成すべきなのか?そして現在置かれている現状や条件などを知る絶好の機会。学校の授業の範疇でそういう話に触れられるのは、実に幸運かつ重要なことに違いありませんね。問題は・・・そのチャンスを学生さんたちがしっかり受け止めて何かを学んでくれるかどうか?その辺りがちょっと怪しいのです。具体的には、本気でプロになろうと頑張っているかどうかに尽きます。

以前より感じている事ですけれど、ゲームやおもちゃのクリエイターを養成するコースでは、そのジャンルに関心の強い人材の卵が集まっているはず・・・ですが、実際は「好きだから来た」に留まっている意識が多く見られる。好きだというのは、単なるきっかけに過ぎないのです。そこから本気になってもらわないとその先は無い・・・

現場のプロの言葉として今日伺った中で、至極最もだと納得したのが次のことば。「1000人の就職志望者がいたとして、会社は実力上位者から順番に採用していく・・・」

全力で頑張ってあらゆるスキルと見識を身につけていかねば、輝かしい将来の展望は開けないのでありますね・・・


(写真や情報は許容範囲と思われる判断で使わせて頂きます)

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2010年10月14日  日本の教育にはディベートが足りない


今日も専門学校に業者の方が講演にいらっしゃいました。大手のIT(ゲーム)業界のメーカーさんでした。そこで行われたのはディベートと呼ばれる対話でありました。

日本の義務教育の場ではいわゆる「詰め込み」と呼ばれる暗記型の勉強がメインです。それは世界的に見ると決してポピュラーなものとは言えない可能性がある。では外国(先進諸国)ではどんな教育が尊重されているのかと言うと、勉強の仕方自体や考える力を養う訓練が重視されていると言えそうです。つまりは探求心。その事は、私も教職課程を取得する過程で学びました。特に、欧米の大学における教育の目的は「考える力を身につけること」であるとのこと。知識そのものを目的とする日本との本質的な違いがありそうです。そこに私は大きな問題点を感じています・・・

専門学校の現場に視点を戻すと、スキルそのものをメインとしたカリキュラムが中心。考える力はその過程で身につける二次的なものとされているはず。でも実際には、必要不可欠と言えるコミュニケーションの機会が、充分に行われているかどうかは疑問符が付きます。それは今の学生さんたちが、積極的に深い議論を好まない傾向があると思われること。対話が少ないので、結果的に考える力や、自分の意見を持つという機会が充分ではありませんね。

私はそのことを頻繁に話題にしているつもりなのですが、現実には「暖簾に腕押し」の状態で、あんまり反応を感じられません。その傾向はここ数年顕著に膨らんでいて、とても危機感を感じています。要するに、日本人はどんどん考えることをしなくなっているのではないか?ということ。一方で、指示された範囲ならばしっかりこなし、元ネタをアレンジする能力はとても高い今の世代。皮肉な事に組織の従順な歯車としての適正は持ち合わせている感じがしています。

最大の問題は、そういう人材ばかりでは、クリエイターの芽が充分に成長しない危機感を感じる事でありますね。今日は辛口のコメントにて悪しからず・・・

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2010年10月31日  専門学校の学園祭


専門学校の学園祭に行って来ました。

学園祭とは・・・
本来学生が自分たちの自主的な活動の延長戦上で行うイベント。
各自の日頃の活動の成果の発表の場としての意味合いもあります。

文化系の学部の学生さんは自分の作品発表の場となっている。
それはそう簡単には無い機会なのでありますね。
エンタメ系の学部では、舞台の設営とアーティストを呼んでのイベントがある。

そのチャンスを目一杯生かすべきなのです。
経験値を上げることが出来るはず。
これはメッセージとして強く言いたいこと・・・

近年学生さんのモチベーションが今一つ盛り上がっていないので
私は心配しております・・・
でも、一生懸命頑張っている個人はしっかりいるのです。
私は彼らを応援しサポートする立場にいるのです・・・






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2010年11月06日  デザインフェスタ VOL.32


今日はお台場にあるビックサイトのイベントに行って来ました。
デザインフェスタ VOL.32

年に二回開かれているデザインフェスタも今回で32回目!これはあらゆる創作物を対象としたクリエイター達のいわば青空市。イラスト・写真・立体造形・工芸・服飾・インスタレーション・・・何でもござれ!素人からプロまでごった煮の混沌とした異様で熱い空間がそこに生まれます。ある意味このイベントはやる気のある作家のデビュー&力試しの場でもある。日頃作った作品を一般の目にさらして、お客さんからの評価を自分の目で計ることができるのです。それだけに皆真剣なのですね・・・

私が関わっている東京工学院専門学校のおもちゃコースの学生さんも、ゲーム科やデザイン科の有志とつるんでブースを設営。個人の作品を展示していました。周りはプロ並みのクォリティを誇る競合がひしめいている空間。のほほんとしてなどはいられない事でしょう・・・

単に作品を作るだけでは無く、それを世間様に発表するということは、クリエイターとしてのあらゆる総合力が試されます。展示というのは、一言でいうとブースという空間をデザインしなければなりません。その際に必要とされるスキルには・・・

 タイポグラフィ
 空間構成&レイアウトデザイン
 アドバタイジング
 コピーライティング
 キャッチ&PR

・・・などのデザインの総合力が必要となります。そして更に・・・お客さんとのコミュニケーション能力+プレゼンテーションの実力が試される。ほんとに大変なのです。でもでも・・・始めて参加する者にとって、それらがいきなり出来るはずもありません。なので初心者は、現場にて経験値を積む修行の場ともなることでしょう。

「場を盛り上げる」というイベントの基本の何かに触れることが出来たならば・・・こういう所に参加したメリットが自ずと深まっていくのではないでしょうか。 

以下は会場のスナップ
ダイターン3のコスプレには思わず声をかけて撮らせてもらいました(笑)



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2010年12月01日  好きこそものの上手なれ!


今日はモンスターハンター3の発売日でした。PSPユーザー待望のビックタイトルと言えるモノ。専門学校のゲームクリエーター科の学生さん達が、関心が無いはずはありません。かなりの割合が購入していく事でしょう。その事自体は何ら問題ないのですが・・・

私はもう随分前から、彼ら学生さんたちに問いかけている事がある。それは、あなた方はエンドユーザーでは無いですよね?と言うこと。ゲームやおもちゃを企画・制作していくクリエイターの卵なのだから、経験を元に新しいものを創っていく頭脳とスキルを養って欲しいと希望している・・・

ですが・・・もう15年近くあなた方の思考パターンを見ているけれど、単に横文字職業に憧れるだけで、エンドユーザーから抜け出ようとしていない姿勢には、少々辟易しております。優れたタイトルをプレイして感動したならば、まずはその作品の分析と検証をしっかりしなければ意味が無い(クリエイターとしての話)楽しかったという感想しか言えない様なのではダメなのですよ。

「団長」の腕章をして教室を歩き回っているあなたに私は尋ねた。「ハルヒという人物の何が魅力なのだろうか?」するとこういう返事が返ってくる。「格好良いからに決まってるでしょ!」「何故?」「イカしてるから!」会話にも答えにもなってません。腕章が「超監督」になろうがそんな事はどうでも良い・・・しばらく乾燥した押し問答が続いて私は疲れてしまう。まるで小学生と話しているようだ・・・

プロになるにはどうしたらよいの?と言う問いにはこう答えます。「好奇心と継続する努力と、そして人の話を聞いて対話をする姿勢を身につけてください」まずはそこからでしょう。いきなり答えなんか出ないよ。それが出来ないのであれば、他の道を早く見つけてください・・・


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2011年01月14日  作業机を設置


机はいろいろな仕事をする場として必要なもの。

どのような作業をするのかによって、机のタイプのチョイスは大きく変わる。私は今年はちょっと思うところがあって、新しい机を買いに行って来ました。それはいわゆる作業机。普段とちょっと違うのは、それがパソコン用では無いということ。選んだ机は天板が二枚開閉して、作業面積の調節が出来る仕様。中央部に前後3段の収納引出が付いている。工具や材料なんかが収容できそう。新しい事にチャレンジするのは、なんかワクワクしますね(笑)

一方で、昨年末に事務所として使っている一室の改装工事をしていました。それがやっと終わったので、そこにこれから設置します。何をはじめるかは、徐々に明らかにしていきたいところ。今は準備をちゃくちゃくと進めます・・・


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2011年02月12日  専門学校の卒業制作展 2011


例年 私個人のブログでも、関わっている仕事場や専門学校の話題にあまり詳しく触れることはして来ていません。いつも断片的な紹介に留めています。でも昨今の情報社会の在り方について考えているうちに、少なくともクリエーターの領域に身を置いている連中は、もう少し自己主張を積極的に行っていっても良いのではないか?という考え方が強まりつつあります。実際に授業でもその話をしていますが、現実にはどうも恥ずかしがり屋さんが多くて、せっかくの作品を大勢に見て貰うことに、あまり積極的だとは言えない状態・・・なので、まずは私が少しずつ情報発信して、それを広げていきたいと考えています。 個人情報の問題もあるので、ある程度は控えめになるかもしれませんけれど・・・

今日は専門学校の卒業制作展の二日目。最終日でした。

ゲームクリエイター科では毎年 おもちゃとゲームの二コースが、同じフロアで作品の展示会を行っています。ここに至るまでは色々な紆余曲折があるのですが、この場でそれを問うまい。頑張った人、力及ばなかった人、実力を出せなかった人等々・・・人によって状況は分かれましたが、皆お疲れ様でした・・・

特に卒業生の皆さんは、少し休んで後、今度は次のステップに移る準備があって更に大変な事と思いますが・・・どうぞ希望を持って精進することを期待して止みません。


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2011年04月18日  今期の専門学校の授業スタート


私は今年は、ゲームクリエーター科のゲームとおもちゃの両コースをまた担当する事になりました。ゲームコースの学生さんと話せるのは、実に3年ぶり。以前は2Dをメインに教えていたのですが、今期からはデッサン(1年)と企画・プレゼン・展示まわり(2年)をザックリと担当します。

・・・で、どんな話をしていくかはハッキリしていたりします。それは授業で話しましょう。ではネットのこの場では何を語ろうかなと。ここではあんまり難しいうんちくは止めておきましょうか?気楽に意見交換などできたら良いなと考えてますのでよろしくです。ミーハーな話題もちょっと増やしてフランクに話した方がいいかなぁ・・・

写真は教室の入り口においてあるアレコレ。参考資料用に学校で買ったもの。アイボは・・・日本の景気が良かった頃に、あちらこちらで走り回っていましたよね。オプション込みで20万位してたと思う。サポートが切れてみんな動かなくなってしまって悲しい・・・またあの時のような 元気のある気持ちにも余裕のあるご時世が来たらいいなと思います(バブルである必要はなし)私は昭和の良かった雰囲気なんかも平成世代にちょろっと教えてあげたい。ゲームやおもちゃには夢が必要ですから・・・


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2011年04月22日  デッサンのむずかしさ


専門学校の授業でデッサンの授業にまた関われるようになりました。純粋に絵を描くことの意義を、学生さんと共に再確認できる事が とてもうれしく思います。ゲームとおもちゃのコースにおけるデッサンの必要性には、各自のポジションによって、多少の幅があるかも知れません。でも、ものを一生懸命観察して絵を描く訓練をすること自体に、しっかりした意味があると私は考えています。

細かいことは授業中に本人たちに直接話すとして・・・私の立場からすると何が一番大変かというと、絵を描く事を教える事自体がなかなか難しいという実感。これは以前よりずっと感じているポイントなり。技術を教えているだけに留まらず、それは一つの価値観を身につける行為だと考えておりますので・・・

私自身の課題として、難しいことを より簡単にシンプルに感じられるように話すこと。つまり楽しく感じられる課題づくりと授業に努めるということなのですが・・・

仕事に追われていると私自身も意識がつい薄れてしまうことが一つ・・・
「絵を描く事は楽しいこと」


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2011年05月8日  企画には夢が欲しい


私が関わっているゲームやおもちゃやエンタメコースの学生さん達は、ある意味特殊な業界を目指している人たちの集団。生真面目なサラリーマンの世界とは少し違う世界かと思います。無論、将来 会社という組織に入ったならば、一個の歯車的存在となって一生懸命働くことになるのだろうけれど・・・

何らかの娯楽・サービス産業に関わろうとするのであれば、そこにはシンプルな労働の基準で割り切れないプラスαが、どうしても必要となってくるはずなのです。新しい価値観を生み出すアイデア、イコール夢を創り出す力など・・・そう書くと何やら難しい話になってしまいますが、それはそうなのです。そう簡単に出来るわけが無いクリエーティブな業界。

専門学校では、様々な分野に渡る具体的なスキルを身につけるカリキュラムが目白押し。なので、それらのスキル習得に多くの時間が割かれるのは当然のこと。でも、技術を身につけてそれだけで全てOKとはなりません。何の為にやっているのか?とか、どうすればもっと面白くなるのか?などを、具体的に考える力が必要です。でも、この話は、最初から到達点が想定されている訳では無いのだ。更に世間の流行りは常に変動しているし、絶えず新しい技術も出てくる・・・時代のTPOを無視することが出来ないから 同じことばかりやってられない等々・・・

その一点、何が面白いのか=商品として価値を考えるのは、ほんとうに大変です。コンセプトを問うと、結果的に「ウケ狙い」に置き換えて答える人、「売れればいいんだろう」という発想だけで価値を計る人など、何処かに偏るケースも少なく無い。目的がお金だと言い切ってしまう意見に、私は夢や希望を感じません。夢?そんなつかみ所の無いものをどう認識すれば良いのか?と質問が返ってきますが、まずは「喜び・感動・笑顔」などをキーワードに一生懸命考えることから始めるしかないと思います。これは多くのデザイナー諸氏が日々自分に問い続けている姿勢そのものでしょう。

また一方、メジャーな作品(メーカー)にすがって、その仕事がしたいと言う気持ちは分からないでも無い。でも、最初から他人の振る旗を信じて何かを成すのでは無く、まずは己で良く考えてみて欲しい。そこから出発しないと自分の存在意義すら見失ってしまわないだろうか?クリエーターなる人種は、決まり切った事をするのでは無く、絶えず新しい価値を見つけて創造する姿勢であって欲しいと思われます。サブカルチャーには絶対的な定義などありませんし。答えが直ぐに見つかれば誰も苦労はしない。結論を煙に巻いてボカしているようで申し訳ないですが・・・

  関心を持つこと
  コンセプトワーク
  継続した努力
  経験値の上積み

最低限 これらの努力をしてもらわないと、恐らく華は咲かないと思います。あと、実はこれらの他にとても重要な事があります。それがコミュニケーション能力なのは間違いない。そこがかなり弱いと感じています。私の世代に比べても議論を好まない「草食系の大人しい世代」を感じるこのごろです。

こういう話は時折触れてコメントを残して行きたいと思います。
(学生のみなさんに伝われば幸いです)


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2011年05月23日  写真の撮り方を教える


私は広告媒体に関する映像全般をあれこれやっていますので、写真はそのうちの一部の業務です。撮影とフィルムの取扱いは、かつて美大の授業で専門知識を学びました。でもその後 時代はデジタルになり、私は独学でアナログスキルをデジタルに置き換える事を勉強しました。映像は写真もビデオ動画も詳細に学ぼうとすれば、それ相応の時間と労力を必要とします。

さて、それを初心者に教えるとしたら・・・これがなかなか難しいのですね。もしかしたら自分で写真を撮るのよりも、人に撮らせる指導をする方が難しいのではないか。単純にカメラ機材の使い方を教授するだけならそれは理論です。でも、どういう風に撮るか(表現するか)は主観の世界なのです。だから、最初に教えられるのは、当たり障りのない撮り方。具体的には「素晴らしい写真の撮り方」では無く「失敗しない方法」を教えます。

本来でしたら、撮り方を教えてしまうと、それはその後 私の出番が無くなると言うことですから、いきなり全部は教えませんよ(笑)でも、撮影状況が限定的な場合であったり、それほど撮影頻度が高くならない人で、写真をちょっと学びたいという人には喜んで教えています。特に 一眼レフタイプで無く、コンパクトデジタルカメラで使える写真を撮りたいというケースには、出来るだけ実用的なやり方のコツを伝えたいと思っています。

例えば個人商店で、扱っている商品を自分で撮って、DMやHPに載せたいという場合。その商品にあったセッティングを考えてあげなければなりません。それはケースバイケースとなります。

専門学校のおもちゃ制作をするコースの授業では、既存のおもちゃや自分の作品の紹介レポート用に写真が必要になります。そこで授業で最低限のうんちくを教えています。ほんのちょっとの工夫や手間をかけることで、写真の見栄えはぐっと良くなりますので、是非覚えて欲しいスキルなのでありますね。そしてみんなが希望すれば、結局は本格的な撮影方法ももちろん教えちゃいますです(笑)


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2011年05月24日  デッサンを教える


今年は私の専門学校のデッサンの授業が復活しました。対象がデザイン科では無くゲームクリエーター科(おもちゃコース含む)であり、ほとんどが初心者。一から始めるので、あまりデッサンのクォリティに凝る事は出来ません。それはスキルの優先順位からして「出来ることが好ましい」という評価レベルに留まっているからです。私個人の意見としては、基本スキルとしてしっかりやりたいのですが・・・

まぁ、デッサンをちゃんと習得しようとすると、それ相応の時間がかかるのは確かでしょう。個人差がつくので、なかなか上達しない人も出てくる可能性がありますし、そうすると「これは何の得があるのですか?」という反応が出て来てもおかしくありません。専門学校の実習時間は限られています。なんせ2年間しかないのですから。その条件内で成果を出さねばならないジレンマ。

本来はモチーフの観察から、自力でフォルムや質感をしっかり把握しなければなりませんが、よく見て描いてねと言っただけでは直ぐに描ける様になりません。目の前にあるものを、ただ見るのと理解する事には大きな隔たりがあるからです。そこで、描く手順を丁寧に分解して指示してしまっています。それが良いのか?と言われると少し問題もあるかと思います・・・が、今の所妥当な方法論と割り切ります。

まずはパースの感覚だけでもしっかり身につけて欲しいと期待したいです・・・


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2011年06月13日  交際交流の学校行事


今日は専門学校の国際交流のイベントがありました。

海外の姉妹提携校から留学してきた学生さんたちを歓迎し、コミュニケーションのきっかけにしようというもの。私は広告業種に身をおいていることもあって、この手の催し物がどういう意義を持っているのかが理解できます。けっこう大事な行事なのです・・・

さて問題は・・・歓迎式をやった後の話です。一般論として・・・昨今の日本の学生さんは、留学生の皆さんと対等にかつ積極的にディスカッションが出来るのかしらん?日頃 討論などをあまりしない今の世代のみなさん。興味深い話題をチョイスして、是非ディベートなどして、友好を深めて欲しいと希望します。

人種だけで無く 歴史や文化が違う人たちと付き合うためには、ただ仲良くしようとするだけでは無く、お互いをさらけ出して意識のやりとりをしないと、相互理解はできないんじゃないかと思います。言葉が話せるかどうかの前に、相手に関心を持つかどうかから始まると思うのですが・・・

ちなみに、私が関わっているゲームクリエーター科にはあんまり影響のなさそうな感じで、そこはちょっと寂しかったりします。コンサート・イベント科の学生さんには多少関わり合いが有る様な無い様な・・・


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2011年06月25日  まずは観察する事から始まる


専門学校でのデッサンの話のつづき。私の担当クラスは、ゲームクリエーターコースとおもちゃクリエーターコースなので絵描きを専門とするコースではありませんが、絵を描く事は何かしら必要になってくるハズなので、教えております。特に2Dグラフィッカー希望者は必須だし、企画書にラフ画・完成イラストを添付できる位の画力は付けて欲しいと願いたい。ちなみにデッサンはイラストとは違うと明確に線引きして、画力の基礎として説明しています。

でも、一からの初心者にデッサンの基礎から教えるのは、なかなか一筋縄ではいきません。最初はモチーフの観察の仕方から入って、パースの概念や構図の取り方なんかを少しずつ示しながら先に進みます。まぁ難しいうんちくはこの場では省き、絵を描くに必要な条件をいくつか述べておきたい。

絵が上手くなる人は最初の数時間でだいたい見えてきます。それは、技術的なことではないんですね。最初言われた事を「ハイ!」と言って、指示をへんに勘ぐったりせずに素直な気持ちになれる人。モチーフを観察しましょうと言ったら、一生懸命「見よう」とする人。後は集中力と忍耐力・・・それが出来ないと、スキルの進歩は望めないですよ。自分勝手なやり方で通している人は、案の上足踏みを始めて道に迷う。ほら見たことか(汗)

ここ数年の学生さんには、やはり「ゆとり世代」の特徴みたいなものを感じています。それは、真剣にやってはいるのだけれど、探求心はやや浅く、ノリが軽い感じ?気楽に参加してますみたいな雰囲気があります。楽しくやれるのは悪い事ではないんですが、限られた時間内でしっかり上達したいという緊張感がもう少し欲しいよなぁ。いつか強くなればいいや・・・では、スーパーサイヤ人にはいつまでたってもなれませんな。その間にフリーザやセルがやりたい放題。地球人は皆殺しに・・・





私も久しぶりに学生にまじって静物デッサンを描いてみました。2年ぶりかな。正直なところ調子が悪い。今一つしっくりこなくて苦労してます。これはあんまり気持ちの良い一枚にはならないかも(汗)自己評価としては75点くらいでしょうか・・・


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2011年7月24日  MUSAKO FEST Vol.7


私が講師として関わっている東京工学院専門学校には、コンサートイベント科というコースがあります。授業の中でライブコンサートの企画・舞台設営から進行管理まで全てを、学生の手によって行う事を授業の一環として実施しています。毎年夏には「MUSAKO FEST」と呼ぶイベントを行っています。そのために事前に時間をかけて企画を練り、アーティストバンドに出演交渉をしてタイムテーブルを作成する。今日はその本番当日でした・・・

実施日までにどれ程の努力や苦労があるかは、関わった本人達にしか分からない事かと思いますが・・・イベントにやってくるお客さんたちには裏方のあれこれを見せる訳では無く、純粋にアーティストとの楽しくエキサイティングな時間を楽しんでももらうことが主旨。今年は東日本大震災などもあって「みんなで元気を出そう!」という意識を込めた事情もありました。

アーティストに関する具体的なコメントは私はしません。今日カメラのレンズを向けたのは、裏方として頑張った学生さん達の後ろ姿です。自分たちが定めた目標に向かって何かを成さんと汗を流す様はとても絵になりますね。正直言って個々のスタッフの表情のアップなどもたくさん撮りたかったのですが、みんなが主役であるスタッフ総体のイメージを残すのが私の主旨でしたので、その様な写真ばかりを撮りまくりました。イベントは盛り上がり、全てのプログラムを無事に終え、スタッフ全員の努力がしっかりと実を結んだ良いイベントであったと思います。



記念に残すべき夏の日の一コマでした・・・


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2011年10月3日 モチーフによってモチベーションは高まるか?


今月に入ってから、専門学校の私の担当しているデッサンの時間では、ちょっとモチーフに変化を付けることにしました。ゲームとおもちゃのクラスですので、たまには遊び感覚を入れた題材で描いてもよろしいんじゃないかと・・・

ゲームクリエーター科の教室の入り口に立っているシャアザク。全高が170センチ近くあります。プレミアものでかなりのお値段だったらしい?大きさが手頃であり、ボリュームがあるので以前よりモチーフになり得るだろうと思っていました。

モビルスーツとは言え、人型の体型をしていますから、スケッチブックに書くと構図的には座りが悪い。そこで画面のフレームに合わせてポートレイト風に構図を切り出す課題にしました。捉え方によっては面白い見え方になり得るだろうと期待しています。

さて問題は、こういうモチーフを前にして描きたいというモチベーションがしっかり出て来るかどうか。学生の皆さんには、是非とも創意工夫のある作品づくりの意識を養ってもらいたと期待しています・・・



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2011年10月14日  モチーフによってモチベは高まるか? 2


今月に入ってから専門学校の私の担当しているデッサンの授業では、美大などでは恐らく扱わないであろうモチーフを使って授業をしています。見ての通り、人の等身大ほどあるシャアザク。

ロボットは体が幾何形体の組み合わせで出来ている様なもんですから、石膏像のモチーフに比べて形が分かりやすいし、クラスがゲームクリエーター科なので、興味も高まるんじゃないかと思ってやっております。実施してみると、ゲームコースよりもおもちゃコースの方が、普段立体を扱っているだけあって、フォルムの捉え方は上手いと感じます。また、ゲームコースはポジションが多岐に分かれ、企画・シナリオ・2D/3Dグラフィック・サウンド・プログラムと色々あります。グラフィック希望の学生さんは絵を描く事が仕事ですからデッサンは必須。でもプログラムやサウンドの人は、絵を描く事は必ずしも好みません(その気分は理解できます)なので、クラス全体で見るとモチベーションはバラバラになってしまうのであります。正直言って2コマ枠(約90分)集中力が持たない人が続出している。その雰囲気が分かるので私も辛いです・・・

それでも「こういう経験は滅多に出来ませんよ」とめげずに口説いております。トライしておいて決して損は無いのでありますよ。みんな頑張って描いてくださいな(願)

授業中、私も一緒になって描いております。もう少しで一区切りつきます。真っ白いキャンバスに一つの空間イメージを創造するのは楽しいではありませんか?

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2011年10月25日  授業中に問いかけているもの


私が今 専門学校で主に担当しているのはデッサンの授業なのですが、学生さんたちと話をしているのは絵の話ばかりではありません。大事な事として、勉強している選択科目の業界で本当にプロフェッショナルに成りたいのかどうか?・・・その覚悟をしつこく尋ねたりしています。

本来なら学校に入学した時点で、自分が何をしたいのかの決意があって然るべきなのですけれど、現実的にはその覚悟が出来ていない人は珍しくない。だから2年間の期間の間に明確な目標が無いまま時間を過ごしている人もけっこう目立つのですね。

ゲームクリエーターやおもちゃのクリエーターという職種は、単純に時間内労働をこなせば務まる仕事では無いと思う。面白さや感動を創り出すと言うのはある意味 理屈通りには行かない世界で、雲を掴むようなイメージ重視の価値感にも身を置かねばならない・・・それは産みの苦しみを伴うだろうし、それ相応のクォリティを具現化するためのスキルを前提としています。専門学校というたったの2年間の制約の中で、その条件を満たすためには血の滲む修行が必要なのは言うまでも無い事です。

でも・・・
そういう厳しさを自らに課して継続した努力が出来る人は少ないのですよね。

特に、グラフィック志望の学生さんには、その辺りのシビアな視界を是非とも持って頂きたく話をしています。私が一緒になってデッサンを書いているのは、何も私のスキルを見せびらかしている訳ではありません。もっと好奇心と探求心を持って、上を目指して欲しいです。質問は大歓迎ですので、ぶつかってきて欲しいですね。


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2011年11月02日  アグリッパの石膏像


デッサンの授業は次のモチーフ(題材)に移りました。カリキュラムの前半は、簡単な幾何形体のブロックから始まりその組み合わせである静物デッサンでパースの概念をやりました。次第に難度を上げて、前回は箱の集合体とも言えるロボットを。モビルスーツはそういう意味で都合が良かったのです。

今度はいよいよ本格的な石膏デッサンに入ります。美術大学の学生さんでは無いので、クラスの大半の学生さんが入学した時点でデッサンは初心者であります。彼らにデッサンを学んでもらうにはたったの2年はあまりにも短い時間で悩ましい所ではありますが、そこは果敢にトライしてもらわねばなりません。

石膏像は、マルクス・ウィプサニウス・アグリッパの胸像。古代ローマ帝国の軍人だった人物。その無骨で大柄なフォルムは特徴的であり、形を捉えやすいものだと思います。写真のこのアグリッパ像は、ビギナー向けに立体の面取りがブロック状になっています。なのでよーく観察してもらえば、割と描きやすいはずなのですが・・・



私が作った石膏像の描き方の手順書も配って説明しましたので、みなさんめげずに頑張って下さい >^_^<


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2011年11月11日  デザインフェスタ34への参加準備


デザインフェスタは年に二回開催されている行事です。
デザインフェスタ

数年前より東京工学院専門学校のゲームクリエーター科も参加するようになりました。今年は同科のおもちゃクリエーターコースの学生さんがメインとなって、ジオラマの制作をしています。テーマとして「灯火にメッセージこ込めた何かを創ろう」というモノになる様です。

私の担当している授業内ではコンセプトワークについて多少詰めましたが、制作は学生さんたちの自主的な活動なので、細部にまで私があんまり口を出す様な事はしていません。出来れば、詳しくは会場に足を運んで見て頂ければと思います。

開催日は11月12日と13日(このコメント時には既に終了)場所はお台場の東京ビッグサイト。東京工学院のブースは二カ所に分かれて展示されます。西1ホールのG14・G15と西4ホールのK46です。一部はデザイン科の学生さんの作品も入ります。こういう場へのゲームクリエーター科やデザイン科のOBのみなさんには、是非足を運んで見に行って欲しいと毎回思います。尚、来年度に関しては現在未定です・・・

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2011年11月12日  デザインフェスタ Vol.34


今日は東京ビッグサイトにて「デザインフェスタVol.34」が開催されました。私が講師として顔を出している専門学校のゲームクリエーター科おもちゃクリエーターコースの学生さん達もブースを出しております。展示の具合のチェックも兼ねて行って参りました。

今回は、フィギュア模型を扱うスペースと、LEDを使用したジオラマディスプレイを展示する場所を、別々に分けたブースで参加しました。デザインフェスタは、様々な展示内容を全て受け入れるとてもジャンルの広いイベントです。出版・映像・デザイングッズ・服飾・ディスプレイ・パフォーマンスなどなど・・・

おもちゃクリエーターコースでは、普段おもちゃの概念で扱っているゲームからフィギュアモデルまで何でもアリな「自由」を売りにしています。なので、展示内容も作者本人がやりたいことをしている。問題はそこで何を主張するのかであるのですが・・・



モノを創るクリエーターは、勿論何かを造る事が仕事になります。そのスキルを自分の武器にして、おもちゃ会社などに就職し、お客さんに喜んでもらえるプロダクツを造っていかねばならない。組織に入れば企画や造ることに専念できますが、中にはフリーの作家として独立する道も存在します。そこでは自分の事は自分の力で世間にPRしていく努力も求められます。出来ればこうしたイベントを経験する事で、自分自身を世間に売り込む知恵と力を得る糧にしてもらいたいところ。



クリエーターが自ら情報を発信する力を得て、初めて他者から評価という価値を貰えるものだと思います。今日と明日の二日間でその修行にあたる貴重な時間を、有意義に体験することができるかどうか?全ては本人たちの意識の持ちようでありますね。サブカルチャー業界は、遊び心を必要としていますが、それ自体は遊びでは無く仕事でありますので。私も彼らに目一杯期待をしたいと思っております。


おもちゃクリエーターコースのHPも
デザインフェスタ34に合わせて更新されています。
ToyToy


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2011年12月15日  古巣の大学を訪ねました


本日は夕方に、かつて自分が通った懐かしい武蔵野美術大学に足を運びました。それは、40年にもわたる長き年月 教授を務められた私の恩師が 節目を迎えられて退任する事になったから。その記念と成る最終講義を公開にして行うという通知を頂戴しておりました。




私はその教授に4年時に、映像表現(記号論含む?)+アニメーションのうんちくを教えてもらったはずであります。そう確か、アニメの基本理論とスキルなどは教えてもらったんだっけ!?記憶が何だか曖昧・・・正直もう何をやったのか詳しく覚えておりませんのです。かなり専門的な難しい理論などもあったはずで、恐らく私はその時間寝ていたと思います(汗)本来その教授の専門内容は「情報美学~芸術の情報システム化・インタラクティブ情報システム」などなど・・・要するにアナロググラフィックメッセージをコンピューターによる特殊なアルゴリズムを介して別の表現にて視覚化再構築し、そこに芸術性や再認識可能ないくつかの機能を持たせる・・・みたいな話では無かったか。とてもコンセプチュアルかつアカデミックな理論なので、理解するにはそれ相応の基礎知識と勉強が必要です。最終講義も正にその内容で締めくくられました(講義中 寝ている人もいたなぁ)

廊下のロッカーは何と私が使っていた時のままでした(左 写真5番目)

講義を受ける前には、自分が学んだデザイン棟の教室を訪ね、現役学生の制作物を見て回りました。ちょうど、研究発表月間らしく、展示コーナーが設けられておりました。そこで目にした作品群は、しっかりしたコンセプトと丁寧な作り込みによるグラフィックやインスタレーションであり、分かりやすい展示空間を演出していました。中にはアイデアの練り込みが足りない作品もありましたが、丁寧な作業で完成領域に達している作品群は、安心して見ることが出来ました。それはとても大事なポイントでありますね。クリエーターが自分の作品に責任を持っている意識を感じられるからです。

美術大学の作品群は、時にコンセプトの塊であったりして、かならずしも実用的で無かったり商品たりえる方向性などが無い事も珍しくありません。つまり売り物とはベクトルがかけ離れている表現が多いと言う事です。それでも存在意義を強く持っていたりするので、そこから発せられるメッセージには大変興味深いものがあります。実用指向で作られる専門学校の作品とは趣が違います。でも、作品を作り上げるその情熱の部分に、最近元気がちょっと弱い専門学校生に伝えられるヒントが多々ある様に私は感じました。


久しぶりにモチベーションを高める意識の本質的な部分を、見せて貰ったような気になった。とても有意義な時間を過ごしてきました・・・




追記:私が卒業して以降に作られたビル型校舎の12号館や硝子張りの斬新な外観の図書館~デジタルアーカイブ施設など、学校施設には魅力的な環境が揃っていて、私は思わずもう一度学生に戻りたいな・・・などという感傷にふけりました(笑)

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2012年2月2日  デッサンの授業


専門学校は2月上旬で年度末の授業が終了します。
私が担当しているデッサンの授業もクラス毎に順次終了。

今日はおもちゃクリエーターコースの最終授業で講評もやりました。
1年を通して基礎的なことから段階的にデッサンの課題を重ねてきました。
しかしながら、1年程度でそこそこの画力を養うのは簡単な事ではありません。
専門学校に入ってから絵を描く事を始める人も少なく無いので尚更です。

毎年繰り返し話しているのは、基礎とは言えこれは始まりのきっかけに
過ぎず、継続した自分自身の探求と鍛錬を続ける事無しには、スキルの
習得は成しえないと言う事。
更に、基礎力を何の為に身につけるのかという意味を考えて、その先の
応用を自分でどう見つけて行くのかも避けて通れない事でありますね。

いつも長い説教をくどくどしてしまう悪い癖が私にはあるので
今日は簡単な見送りの言葉程度に留めて、締めの講評を終えました。
みなさん1年間 おつかれさまでした・・・


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2012年2月4日  作品展示会の意義


JR武蔵小金井駅前に新しく造られた「小金井市民交流センター」
地下のフリースペースは様々なイベント展示に利用できる場です。
そこで東京工学院専門学校の有志による作品展示会が行われました。

全体としてはCG科・アニメ科・漫画科・デザイン科から各作品が出展。
ゲームクリエーター科からはPCベースのゲーム作品一本と
おもちゃクリエーターコースから立体造形作品が複数。

こういう展示会は色々見えてくるものがあるので有意義です。
それは何かというと、普段各個人が造っている主観的視点が
公共の場に展示される事によって、客観的な視線にさらされて
存在価値が露わになること。
要するにお客さんの声によって、個人の作品が評価を受ける訳。

アーティスティック及び職人的なクリエーターは芸術的側面も
併せ持って居ることと思いますが、資本主義の市場においては
ユーザーの評価無しには存在する意味が問われかねません。
なので、作品を造った各人は、展示の場にてお客さんの生の声を
聞いて、その意見を己の創作活動にフィードバックする必要があるはずです。

少し厳しい事を言うならば、今回は準備期間が短くて
展示に必要となるパネルやサインシステムの制作にあんまり意識が
行っていなかった様に感じます。

来週土日はいよいよ卒業制作展本番なので、直前に気づいた何かを
あと数日間ある準備期間にしっかり反映させて欲しいものですね・・・


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2012年2月11日  卒業制作展 2012


今日は東京工学院専門学校の卒業制作展がありました。
2年間勉強して身につけたスキルとアイデアの成果を発表する場。



私が講師として係わっているゲームクリエーター科(ゲーム&おもちゃ)では、一つの教室を展示場として、様々な作品紹介を行いました。



2年間という時間は、専門知識とスキルを身につけて、作品をしっかり完成させるには決して充分な時間がある訳ではありませんね。やってみると勉強に多くの積み残しや足りない何かが見えて来て、卒業間際に多くの学生さんが冷や汗を流す事になりがちです。

特に私が事前に指摘している課題、それはクリエーターとしての自己PRがしっかり出来るかどうか。その視点はなかなかうまく具現化出来ない様です。せっかく作品自体が完成していても「見て貰えれば分かるでしょう?」ではダメですね。ちゃんとコンセプトと説明と面白さのPRを展示内容に盛り込む事が出来ないと、不十分な展示となってしまいます。趣味でやるならうるさいことは言いません。でも将来仕事にしようとしてスキルを学んでいるのであれば「必要だ」と事前に提示されている「課題」の部分はしっかり盛り込んで欲しいと思います。



その上で、今回の展示を私は採点しなければなりません。強いていうならば、展示のレイアウトは形になっていたと思います。完成に至らなくてもそれなりに見せる方法はあるのだというアドバイスも、そこそこ考慮されていたのではないか・・・問題は各自のクリエーターとしての自己PRがとても弱かった所は指摘しておきたいと思いました。クリエーターは目立とう精神がある程度必要です。見られるのを恥ずかしいと発表を消極的に捉えては駄目ですね。現時点では目一杯頑張って、現在のおのれの実力を表明してもらいたい・・・



いずれにせよ、卒制展は無事終了しました。みなさん お疲れ様でした。まずは一旦ゆっくり休んで、そして次のステップをどうしていくかの準備をしてもらいたいと思います。


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2012年4月13日  企画力とプレゼン能力


専門学校の新学期が始まりました。私の担当は就職対策ともなる作品制作の授業とデッサン。もっとも、その授業内で幅広く色々な事を盛りだくさんにやる予定でいます。例年あまり突っ込んで出来なかったSNSを利用したコミュニケーション論なども含みます。

私が思うに・・・近年の学生さんはとにかく大人しい!反抗したりしないのでそこは安心なのですが、あまりに反応が無いと話をしていて物足りなさと不安を感じます。結果的に具体的な一部のスキルのみを身につけてそれで終わった気分になってしまうのでは無いかな?

個別のスキルは基本ではありますが、それを生かす為の戦略・戦術を自分の頭で考える力が無いと意味が無いと私は思う。また円滑な対人関係を構築するコミュニケーション能力は当然必要です。申し訳ないですが毎年そこがかなり弱いです。どうも対話というプロセスを甘く見ているのでは無いか知らん?それでは社会に出てから十中八九痛い目を見る事でしょう。

だからこそ、今年はその辺りを強化するプログラムを考えています。課題は細かくたくさん出しますよ。繰り返し行って習慣とし身につけて行く これは言わば公文式的なやり方に近いかも知れません。本日はゲームクリエーター科の新1年生への大事な初日。プレゼンアプリを使って企画の大事さとこれからの心構えを確認する講義を行いました。

あと、今年からHPを作成管理するアプリを授業に取り入れ、SNSをも視野に入れたハウツー講義も行います。学校側がずっと認めてくれなかった分野にやっと一歩踏み入れる事が出来そうです。mixiやfacebookにも積極的に参加してもらおうと考えております・・・

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2012年4月23日  授業についてのコメント


例年 私が専門学校で担当しているデッサンやプレゼンや作品制作の授業について、これまではやや控えめに時折触れる程度のことしかして来ませんでした。でも今年は色々思う所があり、一歩前に出て積極的にコメントをしていこうと考えています。

理由は二つあります。まずは専門学校の授業内だけではどうしても時間が足りない。目一杯やっても限られた内容で終わりがち。なので出来れば授業以外で足りない部分のサポートが出来ないかと考えたい。もう一つは、学生さんの情報発進力を高めるアドバイス。皆さんクリエーター職を目指すポジションにあるはずなのに、正直言って大人しすぎるといつも感じております。私は自分がベストなコメンテーターだなんて思っていませんが、一応色々発言しようという努力はしているつもり。少しばかり先を歩いている立場として、ネットワークが進化した今の社会の中でどう意思表示などをしていけるかどうかの例などを示していければ良いなと考えます。

本日は、ゲームクリエーター科のデッサンの実技1日目。最初にパースについての講義をしました。正直言って初期の基本的なスキルの話はそんなに面白いものでは無いかと思います。でも必要な基本でありますので、順番に進んで行かないとしっかり身につくものも上手く行かないのでは無いかと思う・・・

今後は授業の際に詳しく説明できなかった事などを含め、その解説などをネットに載せて行きます。今考えているのはmixiページにグラフィックのうんちくのアレコレを載せて行くこと。今度の連休明けまでにある程度 その準備をするつもりでいます。そして当然ながら、ネットで繋がりのある学生さんにはそれなりのメリットを作っていくのは考えたい事であります・・・

P.S.  基本的には楽しくやって行きたいのですが、プロになる人材育成には当然厳しさが必要なのであります。言いにくくてもやはり言うべき事は書いて行きます。例えば、ゲームを創るのにゲームプレイの体験値は必要ですけれど、ただゲームをやっていてもそれは何かの足しにはなりませんね。ユーザーとして楽しくゲームをしているだけではやはりダメです。それは単に遊んでいるだけ。家でやってください・・・みたいな(苦笑)

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2012年5月14日  紙の上にどんな視界が開けるのか?


今日はゲーム科1年生のデッサン、最初のモチーフである立方体の3週目。初めの2週は様子を見ていましたが、私も後追いで描き始めました。目の前にあるモチーフを見ながらそれを紙の上に写す作業は、ややもすれば技術論のうんちくの話でどうすれば良いのかを語りがちです。具体的にどんなラインを重ねて行けば描けるのか・・・

本来ならば私はあまり口を出さず、セッティングのみをして、あとは「観察によって自分で試行錯誤しながら描き具合を模索してちょうだい」としたいところです。こういう風にやれば良いよと言ってしまうとそれはすでに一つのやり方のパターンで個々の自由な発想を縛ってしまうことになりかねない・・・

でも、時間的な制約があって、のんびりやっている余裕が無いのですね。そこで結局「こんな風にラインを重ねてみましょう」みたいな指示を出してしまう・・・本当はそういう教え方はよろしくないのだ?

私は技術を教えているつもりは実はあまりありません。では何を言わんとしているのかと言うと、モノの見方捉え方を語っているだけ。つまりはどう感じるかの視界を示しているつもりなのですが・・・

二次元の白い紙の上に何を表現するのかは個人が主観で感じて表現すべき世界です。デッサンはその人それぞれがどう感じてどう表現したいのかを具現化する視界の感性の世界なのだと、そこに気づいて欲しい抽象的な時間なのかも。まぁそれは理想論的な意見で、技術論が先に来るのはやっぱり仕方が無いのだろうか?ソンなことも含め、皆さん悩みながら一生懸命やって下さい。授業はやっと始まったばかりであります・・・


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2012年9月1日  キリコ人形の利用価値


美術の基本を学ぶ時によく出て来るモチーフに「キリコ人形」というのがあります。主に人体のポーズを研究する資料の一つとして。ポーズ研究に主眼を置いているので人形自体には個性が無く、存在に愛玩性は無さそう。作者は画家のジョルジョ・デ・キリコ氏であると私は耳にしたのでそう思っていますが実際はどうなのか?大元には芸術面での存在理由があったはずです。ネットで調べても明確な情報が少ないので詳細はよく分かりませんが・・・

人形の関節を見て分かる様にコレは球体関節人形です。球体関節人形自体は西洋での歴史が長く昔から存在しているもの。それをいつからか美術勉強の備品として扱う様になったのは興味深いこと。なぜならば、このキリコ人形はその存在価値が時代と共に次第に変化している様に思えるので・・・

最近では勉強の現場でこの人形を「漫画やイラストの構図」を決める時の資料にも使っているらしい。何故にキリコ人形なのかと言うと、話が戻りますが「個性(顔)が無い」からです。見る人が余計な感情移入をする余地の無いデザインである事のメリットがある。参考資料から導き出す具体性のあるデザインは、利用者のイメージで上書きして二次創作すれば良いこと。

現実的な事を言うならば、海洋堂が発売した「リボルテックシリーズ」を使ってポーズをとらせた方が自由度が利きます。最新のアイデアと技術で作られた自由関節人形の方が出来が良いから。でも例えば「初音ミク」のリボルテックを使ってポーズ研究をすると、キャラクターの個性にイメージが引っ張られて余計なイマジネーションが湧いてしまう感じがします。

今日 船橋のIKEAに行ったら何故かその「キリコ人形」が売っていました。価格が一桁以上低いコストで600円程度。これは良いと二体買いました。コストが安いだけあって関節部分の作りは価格相応レベル。曲がる角度に制限があるので割と大ざっぱなポーズしかとれません。でも利用価値はありそうです。ゲーム科のデッサンの授業の足しに一体を学校に寄付する事にします・・・

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2012年9月7日  深く考えるべきこと・・・


今日はゲームクリエーター科1年の授業の中で 少しコンセプトの部分の話を強調して講義(ほとんど私が一人でしゃべって終わる時間)しました。そういう内容は、企業の商品企画の会議なんかでは普通に論議されている事なんですが、専門学校の授業では意外な程 話題にならないテーマだったりします。

もう最初から何かを作るという前提でスキル習得をする訳で、そこには疑問を差し挟む余地が無いのです。でも本来ならば何故そのスキルを学ぶのか?はしっかり考えねばならない事だし、そもそも何で何かを作らねばならないのかを深い視点で探らねばならないはず。だからコンセプトは一番最初に来るはなし。

スキル習得を初めて最初の数ヶ月は右も左も分からないだろうから、慣らしの意味もあってフレンドリーに授業は流します。でもある程度 雰囲気が見えてきたら次に必要な事は、真剣さと厳しさ そこで深く考える事でありますね・・・深い考察無しに何かを作ると結果はそれに準じたものになると思います。技術の習得だけで進めて作った何かにはやはり何かが足りないと感じる。

この話は 問題の有り所に自ら気づいて考え始めた人だけに見える領域です。抽象的な内容だから本当に一生懸命考えないと何にも見えて来ないし「親切に教えてくれなかった!」という不満だけが残ったりするのかも・・・ヒントは出し続けます。直ぐに分からなくても考え続ける事が必要条件となります。今日の話で何割くらいの人が何かを感じてくれただろうか私には気になって仕方が有りませんでしたね・・・

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2012年10月5日  自分の足で資料は集めましょう


今日のゲーム科の授業中にも念押しした事ですが・・・自分が関心をもっているジャンルについての調べ物はお金や時間や手間を惜しまずに積極的に取り込む姿勢が欲しいです。最初の段階は、ミーハーなエンドユーザーの好奇心から始まるものでも良いと思う。ただ、クリエイティブ側にに立って自分で何かを作ろうと思ったならば、そこに研究や制作努力が必ず必要となってきます。日頃の努力として 先人の良きお手本であるプロの仕事を見ることはもの凄く参考になるはずです・・・

最近では調べ物は何でもネットでちゃちゃっとぐぐれば山の様な情報が手に入る。でも、そういう情報は誰でもいつでも平等に手に入れる事が出来るものなので、新鮮味や希少性に欠けるのです。一方で、ちょっと頑張れば手に入れる事が可能な資料なのに全く知らぬ存ぜぬというのもちょっとなと思います。どんな情報や資料を手に入れると良いかは、もちろん自分で判断すべきですが、ここぞという機会がある時は、やはり骨を折ってでも見聞を深める努力をすべきでは無いだろうか?

先日見に行った東京都現代博物館で開催中の「特撮博物館」の展示。その時にショップコーナーで見かけた資料で気になったものがありました。その時はスルーしたのですがやっぱりちゃんと目を通しておきたくなって、再度会場に足を運びました。展示はあと数日で終わるせいか、現在入場者数が増えて混雑状態。グッズショップは出口の外にも臨時売り場が出来ていたので、入場しなくても表で一部のものは買えるのです。先日見過ごしたものを再度物色してきました。資料はそれが役に立つかどうかは保証なんか出来ませんよ。でも無ければ始まらないモノもあるし、その時にしか手に入らないものもあるからコレは一種の投資です。なんらかの参考書になれば儲けものではないですか。そこに何かしらの可能性があると信じましょう(笑)

こういう話は本来人にいちいち話す事ではありません。でも学生のみなさんの腰がどうも重いのが気になっているのでアレコレ話しております。




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